特定技能 「漁業分野」受入に必要な準備・手続き・注意点

本記事では特定技能「漁業分野」受入に必要な準備・手続き・注意点を解説いたします。
※ 本記事は『特定技能運用要領(出入国在留管理庁)』 を参考に作成しております。

特定技能「漁業分野」とは

特定技能とは、日本国内で深刻化する人手不足に対応するため、専門性や技能を身につけた外国人人材を受け入れ、即戦力として働いてもらうための制度です。

現在国内での人材確保が困難な状況であると認められた14分野において、特定技能外国人の受け入れが認められています。

介護分野でも国内での人材確保が困難であることが認められており、2019年~2024年の5年間で最大9,000人の外国人人材を受け入れ予定です。

特定技能「漁業分野」は農林水産省の管轄となっています。
農林水産省が漁業分野の外国人人材についての情報をまとめておりますので、下記リンク先をご覧ください。

▶︎ 漁業分野における特定技能外国人の受入れについて

特定技能 「漁業分野」の受け入れ要件

特定技能「漁業分野」の外国人人材を受け入れる事業所は、下記の要件を満たしている必要があります。

① 業務内容

業務内容は、下記のいずれかである必要があります。

・漁業
漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等)

・養殖業
(養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理、養殖水産動植物の収獲・処理、安全衛生の確保等)

・当該業務に従事する日本人が通常従事する関連業務に付随的に従事することも可能
(漁業に係る漁具の積込み・積下し、漁獲物の水揚げ、漁労機械の点検、、養殖業に係る梱包・出荷及び自家原料を使用した製造・加工・出荷・販売等)

※ もっぱら関連業務に従事させることは禁止されています。

※ 漁業の特性を考慮し、特定技能外国人が従事可能な漁業関連業務の範囲については柔軟に対応することとしています。
 関連業務に当たり得るものとして、例えば、以下ものが想定されます。

①漁業業務の場合

・ 漁具・漁労機械の点検・換装
・ 船体の補修・清掃
・ 魚倉、漁具保管庫、番屋の清掃
・ 漁船への餌、氷、燃油、食材、日用品その他の操業・生活資材の仕込・積込み
・ 出漁に係る炊事・賄い
・ 採捕した水産動植物の生簀における畜養その他付随的な養殖
・ 自家生産物の運搬・陳列・販売
・ 自家生産物等の製造・加工及び当該製造物・加工物の運搬・陳列・販売
・ 魚市場・陸揚港での漁獲物の選別・仕分け
・ 体験型漁業の際に乗客が行う水産動植物の採捕の補助
・ 社内外における研修等

②養殖業業務の場合

・ 漁具・漁労機械の点検・換装
・ 船体の補修・清掃
・ 魚倉、漁具保管庫・番屋の清掃
・ 漁船への餌、氷、燃油、食材、日用品その他の操業・生活資材の仕込・積込み
・ 養殖用の機械・設備・器工具等の清掃・消毒・管理・保守
・ 鳥獣に対する駆除,追払,防護ネット・テグス張り等の養殖場における食害防止
・ 養殖水産動植物の餌となる水産動植物や養殖用稚魚の採捕その他付随的な漁業
・ 自家生産物の運搬・陳列・販売
・ 自家生産物等の製造・加工及び当該製造物・加工物の運搬・陳列・販売
・ 魚市場・陸揚港での漁獲物の選別・仕分け
・ 体験型漁業の際に乗客が行う水産動植物の採捕の補助
・ 社内外における研修

特定技能 分野別運用要領 より抜粋

※ 特定技能外国人に従事させようとする業務が
 漁業分野に該当するか否かについて不明な場合の問い合わせ先

水産庁漁政部企画課】
電話:03-6744-2340

② 雇用形態

・直接雇用 / 派遣雇用

※ 派遣形態で雇用の場合、以下のいずれかに該当する必要があります。

① 漁業又は漁業に関連する業務を行っている者であること
② 地方公共団体又は①に掲げる者が資本金の過半数を出資していること
③ 地方公共団体の職員又は①に掲げる者若しくはその役員若しくは職員が役員であることその他地方公共団体又は①に掲げる者が業務執行に実質的に関与していると認められる者であること

※ また,労働者派遣事業における派遣先の対象地域については,派遣元責任
者が日帰りで派遣労働者からの苦情の処理を行い得る地域とされているこ
とが必要であるところ,労働者派遣形態による1号特定技能外国人の受入れ
については,派遣先の対象地域が苦情処理を含めた外国人労働者の雇用管理
を適切に行うことができる範囲となっていることが必要です。

③ 報酬

・同等の業務に従事する日本人の額と同等以上の報酬を与えること。

④ 一時帰国のための休暇

・特定技能外国人が一時帰国を希望した場合、(有給)休暇を取得させること。

⑤ その他の要件

・労働関係法令、社会保険関係法令、租税関係法令を遵守していること。

・特定技能外国人と同じ業務をする日本人の中で、非自発的離職者を発生させないこと。

・雇用した外国人の行方不明者を発生させないこと。

・欠格事由に該当しないこと(禁錮以上の刑に処された、法令に違反し刑に処された等)。

技能実習認定の取り消しを受けていないこと。

・出入国、労働関係法令に関する不正行為を行なっていないこと。

保証金、違約金等の徴収、契約をしないこと。

特定技能外国人への支援に要する費用を特定技能外国人に負担させないこと。

・特定技能外国人との雇用契約を安定して継続できる財政的基盤を有していること。

特定技能 「漁業分野」受入の注意点

特定技能「漁業分野」の受け入れ会社が特に注意すべき点は以下の通りです。

① 受け入れ可能な人数

・事業所単位で受け入れ可能な人数に制限はありません。

② 受け入れ可能な期間

・「1号特定技能」として通算5年間の在留が可能です。

③ 協議会への加入

初めての1号特定技能外国人を受け入れる場合、特定技能外国人の入国後4ヶ月以内に農林水産省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと。

▶︎ 漁業特定技能協議会について

【協議会の問い合わせ先】
農林水産省 漁政部企画課
ダイヤルイン:03-6744-2340
FAX番号:03-3501-5097

④ 労働基準法上の取り扱い

・特定技能雇用契約は、労働基準法(昭和22年法律第49号)その他の労働に関する法令の規定に適合している必要があります。

・漁業については日本人が従事する場合と同様に、労働時間・休憩及び休日に関する労働基準法の規定は適用除外となりますが。

※ 過重な長時間労働とならないよう適切に労働時間を管理し、適切に休憩・休日を設定すること。

特定技能 「漁業分野」外国人の要件

特定技能 「漁業分野」として日本で就労する外国人は、以下いずれかの要件を満たす必要があります。

① 技能試験と日本語試験に合格

技能試験と日本語試験のいずれにも合格すること。

① 漁業技能測定試験

〇技能実習の2号修了相当の水準

〇実施場所:国内外

〇試験言語:現地語

〇実施回数:原則毎月

〇実施要項:こちら

② 日本語能力試験

日本語能力試験N4レベル以上の水準

〇「国際交流基金日本語基礎テスト」「日本語能力試験」

〇実施場所:国内外

〇実施回数:「国際交流基金日本語基礎テスト」は原則毎月、「日本語能力試験」は年2回

〇試験詳細:国際交流基金日本語基礎テスト日本語能力試験

② 技能実習2号修了者

漁船漁業職種 又は 養殖業職種 の技能実習2号を良好に修了すること。

※ 技能実習2号を良好に修了したことを証明するには、

・技能実習2号修了時の「技能評価試験等 専門級程度」実技試験合格証の提出
・実習実施者が作成した「技能実習生に関する評価調書」等の提出

上記のいずれかが必要です。

特定技能 「漁業分野」の必要書類

特定技能「漁業分野」を受け入れる際に出入国在留管理庁へ提出する書類の一覧です。

必要書類は個別のケースによって異なりますが、
【既に日本に在留する外国人の受入・直接雇用・受入機関が法人である場合】の必要書類は以下の通りです。

特定技能 「漁業」の必要書類

キャリアリンクアジアのサポート

キャリアリンクアジアでは、外国人人材のご紹介・受け入れ事業に関して豊富な経験がございます。

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