外国人技能実習制度とは

困った男性のシルエット

✔︎ 技能実習生の受け入れに興味があるが、
 制度が複雑でよくわからない

✔︎ 自社が技能実習生受入の要件を
 満たしているかどうか気になる

✔︎ 技能実習生を受け入れた後に
 何をしなければならないか知りたい

本記事ではこのような疑問をお持ちの会社様のために、技能実習生度の概要を解説いたします。

技能実習制度の概要

外国人技能実習制度は、開発途上地域から来日した実習生に日本の技能・技術・知識を移転することを目的としています。

開発途上地域の支援をすることが目的なので、先進国の人を技能実習生として受け入れることはできません。国家間で認められている14カ国の開発途上地域から技能実習生の受け入れが可能です。

(受入対象地域:ベトナム、カンボジア、インド、フィリピン、ラオス、モンゴル、バングラデシュ、スリランカ、ミャンマー、ブータン、ウズベキスタン、パキスタン、タイ、インドネシア)

外国人に技術を移転することを目的としているので、技能実習生受け入れ前に「どのような技術を、どのようなスケジュールで移転するのか」「技能実習生がが技術を習得したことをどのように確認するのか」などの計画を立てる必要があります。

用語について

技能実習制度を説明する中で押さえておきたい用語を解説します。

外国人技能実習生

(外国人)技能実習生は、開発途上地域から来日し働きながら技術を習得しようとする外国人本人です。
日本で技術を習得し、母国の発展を担います。

技能実習生は
・18歳以上
・習得しようとする技術の実務経験がある
・帰国後に習得した技術を使う仕事に就く
このような要件があります。

実習実施者

実習実施者は、外国人技能実習生を受け入れる機関です。
技能実習制度の趣旨を理解し、技能実習生に技術を移転できるように技能実習を実施します。
技能実習計画の作成、技能実習生受け入れ後の報告、在留に係る手続きなどを行います。

実習実施者は
・技能実習制度の趣旨を理解し、適切に技能実習をさせようとしている
・欠格事由に該当していない(関係法律による刑罰を受けた、等)
・習得させようとする業務が単純労働ではない
このような要件があります。

監理団体

監理団体は、実習実施者が適切に技能実習を実施していることを監理する団体です。
実習実施者はほとんどの場合、監理団体に加入します。
監理団体に加入した場合、実習実施者が行う技能実習計画の作成、技能実習生受け入れ後の報告、在留に係る手続きなどは監理団体がサポートします。

技能実習制度については、2017年に施行された外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)に規定されています。

技能実習生が従事可能な業務

技能実習生が従事可能な業務は、
・技能実習生の母国で習得するのが困難な業務
・同一作業の反復などの単純作業以外の業務
・受け入れ企業で通常に行われている業務
である必要があります。

また、技能実習生に2年以上働いてほしい場合には「移行対象職種」に該当する必要があります。
受け入れようとしている業務が移行対象職種に該当するかご確認ください。

移行対象職種
厚生労働省「技能実習制度移行対象職種・作業一覧」より

実習実施者(受け入れ企業) の要件

実習実施者(受け入れ企業) に関する要件と、技能実習生が従事する作業に関する要件があります。

実習実施者(受け入れ企業)について

・技能実習生やその家族に対し、違約金等の徴収をしていないこと

技能実習責任者、技能実習指導員、生活指導員を選任すること

・監理団体による実習監理を受けること

・技能実習生に対し、日本人と同等の報酬を支払うこと

・4年以上受け入れる場合は、優良要件に適合すること

・技能実習生の受け入れ可能人数枠を超えないこと

技能実習の内容について

・技能実習生の母国での習得が困難な技術であること

単純作業ではないこと

・実習実施者(受け入れ企業) で通常に行われている業務であること

・2年以上受け入れる場合は、移行対象職種・作業に該当すること

受け入れ可能な期間・人数

技能実習制度では、技能実習生の受け入れ可能な期間や人数が定められています。

技能実習の期間

技能実習生は最大5年間日本で実習をすることができますが、
1号 → 2号 → 3号 へと在留資格を変更するために要件をクリアしなければなりません。

在留資格(ビザ)在留期間目標移行の要件
技能実習1号1年間技能の習得-
技能実習2号2年間技能の習熟① 移行対象職種・作業に該当 
② 技能検定(初級レベル)に合格
技能実習3号2年間技能の熟達① 移行対象職種・作業に該当  
② 技能検定(専門級レベル)に合格
③ 実習実施者が優良要件に適合 

技能実習1号から2号へ、2号から3号へ移行する際は
それぞれの段階に応じた技能検定の受験と合格が必要です。

加えて、1号から2号へ移行するためには、技能実習生の従事する作業内容が「移行対象職種・作業」に該当している必要があります。

2号から3号へ移行するためには、実習実施者と監理団体が優良要件に適合している必要があります。

受け入れ可能な人数枠

技能実習生の受け入れ人数には制限があります。
受け入れ可能な人数枠は、受け入れ方式や技能実習の段階、実習実施者の状況等によって異なります。

通常、技能実習1号の受け入れは下記の【基本人数枠】が適用されます。

【基本人数枠】

実習実施者の常勤職員の総数 (技能実習生を除く)技能実習生の受け入れ可能な人数枠 
30人以下3人
31人〜40人4人
41人〜50人5人
51人〜100人6人
101人〜200人10人
201人〜300人15人
301人〜常勤職員総数の 1/20

技能実習2号の受け入れの際は、基本人数枠の2倍の人数が受け入れ可能です。

さらに、実習実施者が優良要件に適合している場合、さらに多くの人数を受け入れることができます。

受け入れの流れ

技能実習生受入の流れをご説明します。

技能実習生 受入の流れ

全体としてこのような流れとなっております。

実習実施者(受け入れ企業)の責務

実習実施者(受入企業) に行っていただくことついてご説明します。

監理団体(組合) への加入

技能実習を行うために、監理団体(組合) へ加入していただきます。
弊社にご相談いただいた場合、優良な監理団体に認められている日越振興協同組合への加入が可能です。

※ 監理団体(組合) へ加入しない場合、「企業単独型技能実習」の実施が可能です。
「企業単独型技能実習」では、受け入れ・入国手続き等を会社様で行うことになります。

実習実施者届出の提出

2017年より、実習実施者(受け入れ企業)は「実習実施者届出書」の提出が必要となりました。
提出先は、外国人技能実習機構(OTIT) です。

技能実習計画の作成 (監理団体がサポートします)

技能実習生の受け入れが決まったら、「技能実習計画」を作成します。
どのような技術移転を目標として、どのようなスケジュールで、誰の指導の下実習を行うのか等詳細に記載する必要があります。

技能実習計画の作成は、監理団体(組合) がサポート致します。

技能実習責任者、技能実習指導員、生活指導員の配置

技能実習責任者、技能実習指導員、生活指導員を配置する必要があります。
これらは全て兼任することも可能です。

技能実習責任者...技能実習指導員や生活指導員、その他技能実習に関わる他の職員を監督したり、
        技能実習の実施状況を管理したりします。
        3年に1度、技能実習責任者講習の受講が必須です。

技能実習指導員...技能実習生に対する技能実習の指導をします。
        技能実習を行わせる事業所に所属する職員であり、
        当該技術に関して5年以上の実務経験が必要です。

生活指導員...技能実習生の生活を指導します。
      技能実習を行わせる事業所に所属する職員である必要があります。

技能実習生の住居・備品の確保

実習実施者(受け入れ企業) は技能実習生の住居や生活に係る備品の確保をする必要があります。

住居については、以下のような要件を満たしている必要があります。

・個別の寝室 (4.5㎡以上)を確保していること
・危険な場所、騒音や振動が著しい場所等の危険な場所ではないこと
・2階以上の場合、2ヶ所以上に非常階段があること
・消化器を設置していること
・就眠時間が異なる実習生がいる場合は、寝室を別に確保すること
・食堂や炊事場を衛生的に保つこと
・トイレ、洗面所、洗濯所、浴場を設置すること... etc

生活にか係る備品は

自転車、家具、Wifi、寝具、照明器具、冷暖房器具、カーテン、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、炊飯器、調理器具、食器類、掃除道具、消化器、その他当面の間の消耗品...etc

このようなものがあります。

毎月の家賃、Wifiの通信費、水道光熱費は実費を徴収することが可能です。

技能実習計画に沿った技能実習の指導、日誌の記入

技能実習生の就労が開始した後は、技能実習計画に沿った技能実習の指導、認定計画の履行状況に係る管理簿技能実習日誌の記入が必要です。

この他にも、

・技能実習生の管理簿
・技能実習生の履歴書
・雇用契約書及び雇用条件書
・技能実習生の待遇にかかる記載のある書類

このような書類を備え付けておくことが必要になります。

監理団体(組合) の監査への協力

監理団体(組合) は、実習実施者(受け入れ企業)が適切に技能実習を行なっているか定期的に訪問し、監査します。

監査の際、備え付け書類の確認や技能実習日誌の内容確認、実地にて技能実習の確認、技能実習生との面談等を行いますので、ご協力をお願い致します。

法令を遵守した技能実習の実施

当然のことながら、技能実習生も日本人と同様に労働に関する法令の適用を受け、保護されています。

労働基準関係法令、技能実習法令、男女雇用機会均等法など、法令を遵守して技能実習の実施をお願い致します。

キャリアリンクアジアのサポート

キャリアリンクアジアでは、外国人人材のご紹介・受け入れ事業に関して豊富な経験がございます。

技能実習生に関しましては、日越振興協同組合を通して人材紹介・受入支援・定着支援等を行なっております。

技能実習生受入のご相談はキャリアリンクアジアにお任せください。

外国人人材の受け入れに関心のある方はお気軽にお問い合わせください。

043-306-1307(キャリアリンクアジア)
043-356-3215(日越振興協同組合)
月〜金、8時〜17時