技能実習「建具製作」とは?【2026年最新】受入要件・技能検定を完全解説

技能実習制度における「建具製作」は、日本の伝統的な木製建具を製作する技能を習得するための職種です。ドア、障子、ふすま、欄間など、日本の住宅に欠かせない建具を手作業で製作する高度な技能が求められます。本記事では、【2026年最新】の建具製作技能実習について、受入要件、技能検定の内容、対象作業まで詳しく解説します。

建具製作技能実習の基本情報

項目内容
職種名建具製作
分類建設関係(22職種33作業)
作業名木製建具手加工作業
職種コード3-4-1
技能実習の区分技能実習1号・2号・3号(最長5年)
技能検定建具製作(木製建具手加工)基礎級・随時3級・随時2級
試験実施機関各都道府県職業能力開発協会
関連する特定技能分野建設分野

建具製作の特徴(他の技能実習との違い)

建具製作は、日本の伝統的な木工技術を習得できる貴重な職種です。「建具」とは、建物の開口部に設けられる仕切りの総称で、外部建具(玄関戸、雨戸など)と内部建具(障子、ふすま、欄間、ドアなど)があります。木製建具の製作には200種類以上の組手加工技術があり、高度な技能が求められます。

特徴内容
伝統技術の習得日本独自の木組み技術(ほぞ、組手など)を学べる
手工具の技能のこぎり、かんな、のみなど伝統的な手工具の使用技術を習得
精密加工技術0.1mm単位の精度が求められる緻密な木工技術
需要の安定性新築・リフォーム両方で需要があり、技能者が不足している分野
特定技能への移行建設分野の特定技能に移行可能で、長期就労の道が開ける

作業内容の詳細(木製建具手加工作業)

木製建具手加工作業は、手工具や電動工具を使用して、木材の切断・加工・組立て・塗装・金具の取り付けなど、木製建具の製品を製作・加工する作業です。技能実習計画に基づき、以下の業務区分に従って実習を行います。

【重要】業務時間配分の基準(技能実習計画認定基準)

業務カテゴリ時間配分備考
必須業務50%以上下回ると計画不認定
関連業務50%未満必須業務と組み合わせて実施
周辺業務1/3未満補助的業務のみ
安全衛生業務全期間業務時間に含まず別途実施

必須業務(従事必須・時間配分50%以上)

技能実習生は以下の業務に必ず従事する必要があります。これらは技能検定で評価される中核的技能です。

作業名作業定義・内容使用する工具・機械
1. 墨付け作業図面を読み取り、木材に加工位置・切断線・ほぞ位置などを正確に記す作業。現寸図の作成を含む。さしがね、スコヤ、直定規、コンベックス、墨つぼ、墨さし
2. 鋸断(きょだん)作業木材を所定の寸法に切断する作業。横挽き(木目に対して直角)と縦挽き(木目に沿って)の両方を行う。横挽きのこぎり、縦挽きのこぎり、電動丸のこ、木工のこ盤
3. 平面切削作業木材の表面を平らに削り、厚さを揃える作業。かんなによる手仕上げと機械加工の両方を習得する。平かんな、際かんな、面取りかんな、反り台かんな、かんな盤
4. せん孔作業ほぞ穴や金具取付け用の穴を開ける作業。精度の高い穴あけ技術が求められる。のみ(追入のみ・突きのみ)、電気ドリル、木工せん孔盤、角のみ盤
5. 組手・継手加工作業ほぞ(突起部)とほぞ穴(受け部)、各種組手を加工する作業。200種類以上の組手パターンがある。のこぎり、のみ、かんな、ほぞ取り盤、ルーター
6. 組立て作業加工した部材を接合し、建具として組み立てる作業。接着剤塗布、クランプ締め付け、矯正を含む。木槌、クランプ、はたがね、接着剤塗布器具、木工用圧締盤
7. 仕上げ切削作業組立て後の最終仕上げ。表面を滑らかにし、面取り・くり形加工を行う。かんな、サンダ、研磨布紙
8. 建付け作業製作した建具を建物の開口部に取り付け、動作調整を行う作業。戸当たり、すべり具合を調整。かんな、のみ、ドライバー、金具類

関連業務(時間配分50%未満)

必須業務と組み合わせて行う業務です。必須業務の技能を補完し、建具製作の一連の工程を理解するために従事します。

作業名作業定義・内容関連する必須業務
木工機械加工作業木工のこ盤、かんな盤、ほぞ取り盤、サンダ等の木工機械を使用した効率的な加工作業鋸断、平面切削、せん孔、仕上げ切削
塗装作業下地処理(研磨、パテ埋め)、塗料塗布(刷毛塗り、スプレー)、乾燥、研磨、仕上げ塗装仕上げ切削、組立て
ガラス・紙類取付け作業ガラスの採寸・切断・はめ込み・固定、障子紙・ふすま紙の張り付け組立て、建付け
金具取付け作業蝶番、取手、鍵、戸車、レール、ストッパーなど各種金具の取付け・調整建付け
ジグ・型板製作作業同一加工を効率的に行うためのジグ(治具)や型板の製作・使用墨付け、組手加工

周辺業務(時間配分1/3未満)

必須・関連業務に付随する補助的業務です。技能実習の中核ではありませんが、作業全体の理解に必要です。

  • 木材の選定・検査・乾燥管理:使用する木材の良否判定、含水率の確認、適切な保管
  • 工具・機械の点検・整備:刃物の研ぎ(かんな刃、のこぎり)、機械の日常点検・注油
  • 作業場の清掃・整理整頓:木くず・粉塵の清掃、工具の定位置管理
  • 材料・製品の運搬・保管:木材の移動、完成品の梱包・保管
  • 図面作成・見積り補助:簡単な図面のトレース、材料拾い出し補助

安全衛生業務(全期間実施)

労働災害防止のため、実習期間全体を通じて以下の安全衛生業務を実施します。

安全衛生項目具体的な実施内容
保護具の使用保護メガネ、防塵マスク、作業手袋、耳栓・イヤーマフ、安全靴の適切な着用
機械の安全確認始業前点検(安全装置、刃物の状態、回転部の確認)、運転中の監視
作業環境管理換気(粉塵・塗料臭気対策)、照明確保、通路の確保、集塵機の使用
安全衛生教育KY活動(危険予知活動)、安全ミーティング、事故事例の共有、応急措置訓練
整理整頓(5S活動)整理・整頓・清掃・清潔・躾の徹底、工具の定位置管理、木くずの除去

使用する主な工具・機械

分類工具・機械名
手工具(切削)のこぎり(横挽き・縦挽き)、のみ(追入のみ・突きのみ)
手工具(仕上げ)かんな(平かんな・際かんな・面取りかんな・反り台かんな)
測定工具さしがね、スコヤ、直定規、コンベックス、墨つぼ
電動工具電動丸のこ、電気かんな、電気ドリル、トリマー
木工機械角のみ盤、超仕上げかんな盤、昇降盤、ルーター
組立て工具木槌、クランプ、はたがね、接着剤塗布器具

受入要件

実習実施者(受入企業)の要件

要件項目内容
事業内容建具製造業、木製建具製作業の事業実績があること
建設業許可(建設業の場合)建設業法第3条の許可(建具工事業等)を取得していること
技能実習責任者技能実習責任者講習を修了した者を選任
技能実習指導員建具製作経験5年以上の者、または建具製作技能士の資格を有する者
生活指導員技能実習生の生活指導を行う者を選任
設備・機械木製建具手加工作業に必要な工具・機械を備えていること
建設キャリアアップシステム事業者登録および技能実習生の技能者登録が必要(建設業の場合)

技能実習生の要件

要件項目内容
年齢18歳以上
日本語能力入国時N5程度(日常会話レベル)が望ましい
適性手先の器用さ、空間認識能力、細かい作業への適性
帰国後の活用母国において修得した技能を活かせる業務に従事する予定があること

技能検定について

技能実習生は、各段階で技能検定(実技試験・学科試験)に合格する必要があります。建具製作の技能検定は、厚生労働省「建具製作技能検定試験の試験科目及びその範囲並びにその細目」(令和2年2月)に基づき、各都道府県職業能力開発協会が実施します。

段階検定名時期合格基準
1号修了時基礎級入国後10〜12ヶ月学科:65%以上、実技:60%以上
2号修了時随時3級3年目学科:65%以上、実技:60%以上
3号修了時随時2級5年目学科:65%以上、実技:60%以上

基礎級(技能実習1号修了時)

建具製作職種に係る基本的な業務を遂行するために必要な基礎的な技能及びこれに関する知識の程度を基準とします。

学科試験の範囲

試験科目出題範囲の細目
主な建具の種類建具の種類について初歩的な知識を有すること
木材の乾燥の方法木材の乾燥の方法について初歩的な知識を有すること
木工機械の種類及び使用方法木工のこ盤、かんな盤、木工せん孔盤の種類及び使用方法、ジグ及び工具の使用方法、電動機及び動力伝導装置の種類
木工用器工具の種類及び使用方法定規及び計測器の種類及び使用方法、手工具の種類及び使用方法
木材工作の方法木取りの方法、鋸断・平面切削・せん孔・仕上げ切削の方法、組手及び継手の加工方法、ほぞ・組手等による接合
組立て、仕上げ及び建付けの方法建付け及び金具類の取付けの方法について基礎的な知識を有すること
木製建具用材料の種類及び用途木材・木質材料、ガラス、紙及び布製品、木製建具用金具類、接着剤の種類及び用途
安全衛生に関する基礎的な知識機械・器工具の危険性、安全装置・保護具の性能、作業手順、整理整頓、応急措置、安全衛生標識、合図、服装

実技試験の範囲

木製建具手加工作業(木製建具の工作)

  • 木製建具の墨付けができること
  • 器工具の使用ができること
  • ジグの使用ができること
  • 木工機械による加工ができること

3級(随時3級・技能実習2号修了時)

建具製作の職種における初級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度を基準とします。

学科試験の範囲

試験科目出題範囲の細目
建具一般建具の種類及び構造について概略の知識を有すること
建築物一般建築構造様式の名称及び特徴、開口部・内部造作等の名称及び形式
製図JIS規格に定める図示法及び材料記号(建築製図通則、建具記号等)
安全衛生安全衛生に関する詳細な知識、労働安全衛生法関係法令
木製建具手加工作業法木製建具用材料、木材乾燥、木工機械、木工用器工具、寸法取り、木材工作、組立て・仕上げ・建付けの方法について一般的な知識

実技試験の範囲

木製建具手加工作業

  • 寸法取り:木製建具の寸法取りができること
  • 木取り:木取りができること
  • 木製建具の工作:簡単な現寸図の作成、墨付け、器工具の調整及び使用、ジグの製作及び使用、木工機械による加工、接合及び接合のための加工、部品の取付け及び組立てができること

2級(随時2級・技能実習3号修了時)

建具製作の職種における中級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度を基準とします。

学科試験の範囲(3級に加えて)

試験科目出題範囲の細目
電気電気用語(電流、電圧、定格出力、接地)、電気機械器具の使用方法(電動機の故障対策、開閉器、回路遮断器)
関係法規建築基準法、廃棄物処理法、建設リサイクル法のうち建具製作に関する部分、建築工事標準仕様書
木製建具手加工作業法(詳細)木材・木質材料の種類・規格・性質・用途について詳細な知識、接合の種類・適用箇所・方法、木工塗装、関連設備

実技試験の範囲(3級に加えて)

木製建具手加工作業

  • 図面及び仕様書に基づいて木取り表の作成ができること
  • 簡単な型板及び型台の製作ができること
  • 木製建具の部品の取付け並びに高度な組立て及び仕上げができること
  • 金具類の取付けができること
  • 木製建具の建付けができること

出典:厚生労働省「建具製作技能検定試験の試験科目及びその範囲並びにその細目」(令和2年2月)

在留資格の流れ

段階在留資格期間移行条件
1年目技能実習1号ロ1年基礎級合格で2号へ移行
2〜3年目技能実習2号ロ2年随時3級合格で3号へ移行可能
4〜5年目技能実習3号ロ2年優良認定を受けた監理団体・実習実施者のみ

注意:3号への移行には、監理団体と実習実施者の両方が「優良」認定を受けている必要があります。また、3号移行時には一度帰国(1ヶ月以上)が必要です。

特定技能「建設」への移行

建具製作で技能実習2号を良好に修了した方は、特定技能1号「建設」分野への移行が可能です。

項目内容
移行先特定技能1号「建設」分野(内装仕上げ/表装 区分)
試験免除技能実習2号良好修了者は技能試験・日本語試験が免除
在留期間通算5年(技能実習と合わせて最長10年の就労が可能)
特定技能2号建設分野は特定技能2号の対象。2号取得で在留期間の上限なし
建設キャリアアップ特定技能移行時も建設キャリアアップシステム登録が必須

詳しくは特定技能「建設」の詳細ページをご覧ください。

育成就労制度について

2027年より、技能実習制度に代わる新制度「育成就労制度」の開始が予定されています。建設分野は育成就労制度の対象分野に含まれており、建具製作に関連する業務での受入れが可能になると見込まれます。現行の技能実習制度からの経過措置等も設けられる予定ですので、今後の政府発表にご注意ください。

送出し国について

建具製作の技能実習生は、日本と二国間取り決め(MOC)を締結している国から受け入れることができます。当組合では主に以下の国からの受入れを行っています。

国名特徴
ベトナム木工技術の教育機関が充実しており、手先が器用で緻密な作業への適性が高い人材が多い
インドネシア木材資源が豊富な国で、伝統的な木工技術を持つ人材がいる。温和で協調性が高い

安全衛生管理

建具製作では、工具・機械の使用による怪我や粉塵による健康被害を防ぐため、安全衛生管理が重要です。

安全項目具体的な対策
切創事故防止刃物の取扱い注意、作業手順の遵守、手袋の適切な使用
機械事故防止機械の安全装置確認、回転部への巻き込み防止、起動前の周囲確認
粉塵対策防塵マスクの着用、集塵機の使用、作業場の換気
騒音対策耳栓・イヤーマフの着用、作業時間の管理
整理整頓5S活動の実施、工具の定位置管理、通路の確保
保護具の使用保護メガネ、作業服、安全靴の着用徹底

よくある質問(FAQ)

Q: 建具製作の技能実習生は、どのような仕事をするのですか?

A: 木製のドア、障子、ふすま、欄間などの建具を製作します。墨付け(寸法出し)から、木材の切断、ほぞ加工、組立て、仕上げまでの一連の作業を行います。日本の伝統的な木工技術を学べる職種です。

Q: 建具製作の技能実習に必要な資格や経験はありますか?

A: 特別な資格は必要ありません。ただし、手先の器用さや空間認識能力が求められます。母国で木工経験がある方は習熟が早い傾向にありますが、未経験でも指導により技能を習得できます。

Q: 技能検定は難しいですか?

A: 基礎級は1年間の実習で習得する基本的な技能を問う試験です。指導員のもとで日々の実習に真剣に取り組めば、合格は十分可能です。学科試験対策として、日本語での専門用語の学習も重要です。

Q: 特定技能への移行後、どのような仕事ができますか?

A: 特定技能「建設」の内装仕上げ/表装区分に移行した場合、建具製作に加え、より広範な建設現場での業務に従事できます。また、特定技能2号を取得すれば、在留期間の上限がなくなり、家族の帯同も可能になります。

Q: 受入企業に建設業許可は必要ですか?

A: 建具製造業として工場で製品を製作する場合、建設業許可は必須ではありません。ただし、建設現場での取付け作業も行う場合は、建設業許可(建具工事業等)が必要になる場合があります。また、建設業の場合は建設キャリアアップシステムへの登録が必須です。

まとめ

建具製作は、日本の伝統的な木工技術を習得できる価値ある技能実習職種です。のこぎり、かんな、のみなどの手工具を使った精密な加工技術は、200種類以上の組手パターンを含む高度な技能です。5年間の技能実習を修了すれば、特定技能「建設」への移行が可能で、さらに特定技能2号を取得すれば日本での長期的なキャリアを築くことができます。

日本では熟練した建具職人が減少しており、木製建具の技能を持つ人材の需要は高まっています。住宅のリフォーム需要の増加もあり、建具製作技能を持つ人材の活躍の場は広がっています。

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