技能実習「水産加工」とは?【2026年最新】受入要件・技能検定・加工作業を完全解説

技能実習「水産加工」とは?

水産加工は、技能実習制度における「食品製造関係」の職種の一つです。魚介類の加工(干物、練り製品、缶詰、冷凍食品など)技術を習得します。日本の水産加工技術は品質・衛生管理において世界トップクラスであり、技能実習生は帰国後も母国の水産加工業で活躍できる実践的なスキルを身につけることができます。

この記事でわかること

  • 水産加工の作業内容と対象製品
  • 技能実習1号・2号・3号の受入要件
  • 技能検定(基礎級・随時3級・随時2級)の試験内容と合格基準
  • 特定技能「飲食料品製造業」への移行ルート
  • 2027年育成就労制度への移行について

水産加工の基本情報

職種名水産練り製品製造
職種分類食品製造関係(11職種)
作業名かまぼこ製品製造作業、節類製造作業、加熱乾製品製造作業、塩蔵品製造作業、調味加工品製造作業、くん製品製造作業
技能実習区分1号・2号・3号(最長5年)
移行対象職種○(2号・3号移行可能)
特定技能移行飲食料品製造業(特定技能1号・2号)

水産加工の作業区分(6作業)

技能実習「水産加工」には、複数の作業区分があります。製造する製品に応じた技術を習得します。

No作業名概要・製品例
1かまぼこ製品製造かまぼこ、ちくわ、はんぺん、魚肉ソーセージ等の練り製品
2節類製造かつお節、さば節、煮干し等の節類
3加熱乾製品製造干物(アジ、サバ、ホッケ等)、素干し品
4塩蔵品製造塩鮭、塩サバ、たらこ、すじこ等
5調味加工品製造佃煮、味付け海苔、明太子等
6くん製品製造スモークサーモン、燻製いか等

水産加工の作業内容

各製品の製造に共通する基本的な作業内容は以下の通りです。

必須作業(実習時間の50%以上)

作業区分作業内容
原料処理魚介類の選別、解凍、三枚おろし、頭・内臓除去、洗浄
加工作業各製品に応じた加工(すり身製造、塩漬け、乾燥、くん製等)
包装・出荷計量、包装、ラベル貼付、箱詰め、出荷準備

関連作業・周辺作業

作業区分作業内容
関連作業品質検査、官能検査、衛生管理、原料検収
周辺作業機械・器具の洗浄・消毒、作業場の清掃、廃棄物処理
水産加工の衛生管理
水産加工は食品を扱うため、HACCPに基づく衛生管理が必須です。技能実習生も入国後講習で食品衛生の基礎を学び、手洗い、消毒、異物混入防止などを徹底します。

技能実習生の受入要件

実習実施者(受入企業)の要件

要件項目内容
事業内容水産加工業を営んでいること(食品衛生法に基づく営業許可等)
設備要件加工機械、冷蔵・冷凍設備、包装設備等を有すること
技能実習責任者責任者講習を修了した者の選任
技能実習指導員水産加工職種の経験5年以上の者(各事業所に1名以上)
生活指導員実習生の生活指導を担当する者(各事業所に1名以上)

技能実習生の人数枠

常勤職員数基本人数枠(1号)優良認定時(1号)
30人以下3人6人
31〜40人4人8人
41〜50人5人10人
51〜100人6人12人
101〜200人10人20人
201人以上常勤職員の5%常勤職員の10%

技能検定の試験内容

技能実習「水産加工」では、各段階で以下の技能検定に合格する必要があります。

基礎級(技能実習1号修了時)

試験区分内容合格基準
学科試験水産物の基礎知識、加工原理、衛生管理、安全衛生(○×・選択式30問、60分)65%以上
実技試験基本的な原料処理作業(三枚おろし、頭落とし等)60%以上

随時3級(技能実習2号修了時)

試験区分内容合格基準
学科試験各加工法の知識、品質管理、HACCP、食品表示(○×・選択式30問、60分)65%以上
実技試験該当する作業区分の加工作業(製品の製造)60%以上

随時2級(技能実習3号修了時)

試験区分内容合格基準
学科試験高度な加工技術、生産管理、品質保証、クレーム対応(○×・選択式30問、60分)65%以上
実技試験該当する作業区分の高度な加工作業60%以上

技能実習期間と在留資格の流れ

段階期間在留資格修了要件
1号1年目技能実習1号ロ基礎級合格
2号2〜3年目技能実習2号ロ随時3級合格
3号4〜5年目技能実習3号ロ随時2級合格

特定技能「飲食料品製造業」への移行

技能実習「水産加工」を修了した方は、特定技能「飲食料品製造業」への移行が可能です。飲食料品製造業は特定技能の中でも受入人数が多い分野です。

技能実習から特定技能への移行ルート

  • 技能実習2号を良好に修了 → 試験免除で特定技能1号に移行可能
  • 技能実習3号修了 → 特定技能2号への移行も視野に
  • 特定技能1号:最長5年、特定技能2号:更新制限なし(2023年より追加)

特定技能「飲食料品製造業」の特徴

項目内容
受入人数(2024年度)約14万人(特定技能全体の約3割)
従事可能業務飲食料品製造全般(水産加工含む)
特定技能2号2023年より追加(熟練者向け、家族帯同可)

2027年育成就労制度への移行

2027年から施行される育成就労制度では、現行の技能実習制度から大きく変わります。水産加工は「飲食料品製造業」分野として継続される見込みです。

育成就労制度の主な変更点

項目現行(技能実習)新制度(育成就労)
制度目的技能移転(国際貢献)人材育成+人材確保
転籍原則不可1〜2年後に条件付きで可能
在留期間最長5年3年(特定技能へ接続)

主な送出し国と人材の特徴

ベトナム

水産加工の技能実習生として最も多く来日しています。器用で細かい作業が得意、品質への意識が高いと評価されています。

インドネシア

水産資源が豊富な国であり、魚に対する親しみがあります。ハラル対応が必要な場合もあるため、事前確認が必要です。

水産加工の特徴と注意点

作業環境

  • 低温環境:鮮度保持のため、冷蔵庫内や低温作業場での作業が多い
  • 立ち仕事:長時間の立ち仕事となるため、体力が必要
  • 水を使う作業:原料の洗浄など、水を使う作業が多い
  • 繁忙期と閑散期:季節により作業量に波があることも

安全衛生管理

  • 包丁・機械による切傷防止:安全な取扱い教育、保護具の着用
  • 低温障害防止:防寒着の着用、休憩時間の確保
  • 転倒防止:濡れた床での滑り止め対策、適切な履物
  • 食品衛生:手洗い、消毒、異物混入防止の徹底

よくある質問(FAQ)

Q. 水産加工と「飲食料品製造業」の他の職種との違いは?

A. 水産加工は魚介類を原料とする加工に特化しています。飲食料品製造業には他にパン製造、そう菜製造などの職種がありますが、それぞれ専門的な技能を習得します。

Q. 魚を触ったことがない人でも大丈夫ですか?

A. 送出し機関での事前講習で基礎を学んでから来日します。また、入国後も段階的に技能を習得するカリキュラムとなっています。

Q. ムスリムの実習生はハラル対応が必要ですか?

A. 豚肉を扱わない水産加工であれば、多くのムスリム実習生は従事可能です。ただし、調味料に含まれるアルコール等、詳細は事前に確認することをお勧めします。

Q. 冷凍食品の製造も対象ですか?

A. 水産物の冷凍加工は対象となります。ただし、作業の主体が冷凍工程のみの場合は、別途確認が必要です。

まとめ

技能実習「水産加工」は、日本の高品質な水産加工技術を学べる職種として、食品製造業を目指す外国人材に価値のある選択肢です。6つの作業区分から選択でき、技能実習1号から3号まで最長5年間の実習が可能です。その後は特定技能「飲食料品製造業」への移行ルートも整備されています。

水産加工は日本の伝統的な食文化を支える産業であり、技術の継承が課題となっています。受入企業にとっては、人手不足の解消と技術継承の両面で有効な制度です。2027年からの育成就労制度への移行を見据え、計画的な受入れと人材育成を進めることが重要です。

水産加工の技能実習生受入れに関するご相談は、キャリアリンクアジア・日越振興協同組合までお気軽にお問い合わせください。

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