技能実習「内装仕上げ施工」とは?【2026年最新】受入要件・技能検定・床・壁・天井仕上げを完全解説
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内装仕上げ施工とは
内装仕上げ施工とは、建築物の内部空間を完成させるための仕上げ工事を行う職種です。床・壁・天井の仕上げから、カーテンの取付け、化粧フィルムの施工まで、建物の居住性や美観を決定づける重要な役割を担います。
技能実習「内装仕上げ施工」では、厚生労働省が定める7つの作業区分について技能を習得できます。
7つの作業区分
| 作業区分 | 主な業務内容 |
|---|---|
| 1. プラスチック系床仕上げ工事作業 | ビニル床シート、ビニル床タイル等の施工 |
| 2. カーペット系床仕上げ工事作業 | タイルカーペット、ロールカーペット等の施工 |
| 3. 木質系床仕上げ工事作業 | フローリング、縁甲板等の施工 |
| 4. 鋼製下地工事作業 | 軽量鉄骨天井下地、壁下地の組立て |
| 5. ボード仕上げ工事作業 | 石膏ボード、けい酸カルシウム板等の張付け |
| 6. カーテン工事作業 | カーテン・ブラインドの採寸・縫製・取付け |
| 7. 化粧フィルム工事作業 | 化粧フィルムの裁断・張付け |
技能実習では、上記7作業のいずれか1つを選択して技能を習得します。
7つの作業区分と業務内容
1. プラスチック系床仕上げ工事作業
ビニル床シート、ビニル床タイル、ゴム床タイル等のプラスチック系床材を用いて床仕上げを行う作業です。オフィスビル、病院、学校、商業施設など幅広い建物で採用されています。
必須業務(従事時間の50%以上)
- プラスチック系床材の割付け・墨出し
- 下地調整(パテ処理、プライマー塗布)
- 接着剤の選定・塗布
- ビニル床シートの敷込み・接合(溶接・シーム処理)
- ビニル床タイルの張付け
- 端部処理・巾木取付け
関連業務(従事時間の50%未満)
- 床材の裁断・加工
- 既存床材の撤去
- 下地の清掃・点検
使用する主な材料
- ビニル床シート:長尺シート状の床材。継ぎ目が少なく衛生的
- ビニル床タイル:正方形のタイル状床材。デザイン性が高い
- ゴム床タイル:耐久性・弾力性に優れた床材
- 接着剤:ウレタン系、アクリル系、エポキシ系等
2. カーペット系床仕上げ工事作業
タイルカーペット、ロールカーペット等のカーペット系床材を用いて床仕上げを行う作業です。オフィス、ホテル、住宅などで広く使用されています。
必須業務(従事時間の50%以上)
- カーペットの割付け・墨出し
- 下地調整・清掃
- タイルカーペットの敷設
- ロールカーペットの敷込み・接合(シーミング)
- グリッパー工法による施工
- 端部処理・見切り材取付け
関連業務(従事時間の50%未満)
- カーペットの裁断・縁かがり
- 既存カーペットの撤去
- 下地材の設置(フェルト等)
使用する主な材料
- タイルカーペット:50cm角のタイル状カーペット。交換が容易
- ロールカーペット:巻物状のカーペット。高級感がある
- グリッパー:カーペットを固定する釘付き木片
- アンダーレイ:カーペット下に敷くクッション材
3. 木質系床仕上げ工事作業
フローリング、縁甲板、コルクタイル等の木質系床材を用いて床仕上げを行う作業です。住宅を中心に、店舗やオフィスでも採用されています。
必須業務(従事時間の50%以上)
- 木質系床材の割付け・墨出し
- 下地調整(レベル調整、不陸補修)
- フローリング材の張付け(釘打ち、接着)
- 縁甲板の施工
- コルクタイルの張付け
- 端部処理・巾木取付け
関連業務(従事時間の50%未満)
- 床材の裁断・加工
- 既存床材の撤去
- サンディング・塗装
使用する主な材料
- 複合フローリング:合板の表面に化粧材を張ったもの
- 無垢フローリング:天然木を加工したもの。高級感がある
- 縁甲板:実(さね)加工された長尺の床板
- コルクタイル:コルクを圧縮成形したタイル。断熱性が高い
4. 鋼製下地工事作業
軽量鉄骨(LGS)を用いて、壁・天井の下地を組み立てる作業です。ボード仕上げの土台となる重要な工程で、建物の間仕切りや天井の骨組みを構成します。
必須業務(従事時間の50%以上)
- 墨出し(壁・天井位置の決定)
- ランナーの取付け
- スタッドの建込み
- 天井野縁受け・野縁の取付け
- 振れ止めの取付け
- 開口部補強
関連業務(従事時間の50%未満)
- 軽量鉄骨材の加工・切断
- 吊りボルトの取付け
- レベル調整
使用する主な材料
- スタッド:壁下地の縦材(65型、75型、90型等)
- ランナー:スタッドを固定する上下のレール
- 野縁(のぶち):天井下地の横材
- 野縁受け:野縁を支える部材
- 吊りボルト:天井を吊り下げるボルト
5. ボード仕上げ工事作業
石膏ボード、けい酸カルシウム板等のボード類を壁・天井に張り付ける作業です。鋼製下地工事の後工程として行われ、内装の仕上げ面を形成します。
必須業務(従事時間の50%以上)
- ボードの割付け・墨出し
- 石膏ボードの張付け(ビス留め、GL工法)
- けい酸カルシウム板の張付け
- 目地処理(パテ埋め、テープ処理)
- 開口部の加工・納まり処理
- 入隅・出隅の処理
関連業務(従事時間の50%未満)
- ボードの切断・加工
- ボードの運搬・荷揚げ
- 下地の点検・補修
使用する主な材料
- 石膏ボード:石膏を芯材とした内装材。防火性に優れる
- 強化石膏ボード:耐火性能を高めた石膏ボード
- けい酸カルシウム板:耐火・耐水性に優れた不燃材
- 化粧石膏ボード:表面に化粧加工を施したボード
6. カーテン工事作業
カーテン、ブラインド等の窓装飾品の採寸・縫製・取付けを行う作業です。住宅、ホテル、オフィス等で室内環境の調整と装飾を担います。
必須業務(従事時間の50%以上)
- 現場採寸(窓寸法、取付け高さの計測)
- カーテン生地の裁断
- カーテンの縫製(ひだ取り、裾上げ)
- カーテンレールの取付け
- カーテンの吊込み・調整
- ブラインドの取付け
関連業務(従事時間の50%未満)
- 生地の検品・管理
- 付属品(タッセル、房掛け等)の取付け
- 既存カーテンの撤去
使用する主な材料
- ドレープカーテン:厚手の装飾カーテン
- レースカーテン:薄手の透過性カーテン
- ブラインド:横型・縦型の羽根式遮光材
- ロールスクリーン:巻き上げ式のスクリーン
- カーテンレール:カーテンを吊るためのレール
7. 化粧フィルム工事作業
化粧フィルム(ダイノックシート等)を建具、家具、壁面等に張り付ける作業です。既存の建材をリニューアルする際に多く用いられます。
必須業務(従事時間の50%以上)
- 下地の清掃・調整
- 化粧フィルムの採寸・裁断
- プライマーの塗布
- 化粧フィルムの張付け(エア抜き、圧着)
- 端部処理・小口巻込み
- ジョイント処理
関連業務(従事時間の50%未満)
- 既存化粧材の撤去
- 金具類の脱着
- 養生・清掃
使用する主な材料
- 塩ビ系化粧フィルム:柔軟性があり曲面にも対応
- オレフィン系化粧フィルム:環境に配慮した素材
- プライマー:接着力を高める下地処理剤
使用する器工具・機械
共通の器工具
| 分類 | 器工具名 | 用途 |
|---|---|---|
| 測定工具 | スケール、差し金、レーザー墨出し器、水平器 | 寸法計測、墨出し、水平・垂直確認 |
| 切断工具 | カッターナイフ、金切りばさみ、丸のこ | 材料の切断・加工 |
| 締結工具 | 電動ドライバー、インパクトドライバー | ビス留め、ボルト締め |
| 仕上げ工具 | ローラー、スキージー、へら | 接着剤塗布、圧着、エア抜き |
作業別の専用器工具
プラスチック系床仕上げ
- 溶接機(熱風式)
- 溝切りカッター
- ローラー(圧着用)
- クシ目ごて
カーペット系床仕上げ
- ニーキッカー
- パワーストレッチャー
- シームローラー
- アイロン(接合用)
木質系床仕上げ
- フロア釘打機
- 電動かんな
- サンダー
- 木工用丸のこ
鋼製下地
- 高速切断機
- 振動ドリル
- レーザーレベル
- リベッター
ボード仕上げ
- ボードカッター
- ボードリフター
- 電動スクリュードライバー
- パテベラ
カーテン
- 工業用ミシン
- 裁断機
- アイロン
- ひだ取り器
化粧フィルム
- ヒートガン
- スキージー
- ピンセット
- ニードル(エア抜き用)
使用する材料
床仕上げ材料
| 分類 | 材料名 | 特徴 |
|---|---|---|
| プラスチック系 | ビニル床シート、ビニル床タイル、ゴム床タイル | 耐水性、清掃性に優れる |
| カーペット系 | タイルカーペット、ロールカーペット | 吸音性、保温性に優れる |
| 木質系 | フローリング、縁甲板、コルクタイル | 意匠性、快適性に優れる |
下地・仕上げ材料
| 分類 | 材料名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 鋼製下地 | 軽量鉄骨(スタッド、ランナー、野縁) | 軽量で施工性が高い |
| ボード類 | 石膏ボード、けい酸カルシウム板 | 防火性、遮音性に優れる |
| 化粧材 | 化粧フィルム、突板 | 意匠性に優れる |
副資材
- 接着剤:ウレタン系、エポキシ系、酢酸ビニル系
- シーリング材:シリコン系、変成シリコン系
- パテ:下地調整用、目地処理用
- プライマー:接着力向上のための下地処理剤
- ビス・釘類:ボード用ビス、フロア釘
技能検定(基礎級・随時3級・随時2級)
技能実習生は、実習期間に応じて技能検定を受検します。内装仕上げ施工の技能検定は、選択した作業区分ごとに実施されます。
技能検定の体系
| 等級 | 受検時期 | 対象 | 合格要件 |
|---|---|---|---|
| 基礎級 | 1年目終了時 | 技能実習1号 | 2号移行に必須 |
| 随時3級 | 2年目または3年目 | 技能実習2号 | 3号移行に必須 |
| 随時2級 | 3年目終了時 | 技能実習2号・3号 | 特定技能移行に有利 |
基礎級の試験内容
基礎級は技能実習生専用の試験で、各作業区分の基本的な技能を評価します。
学科試験(30問・60分)
- 内装仕上げ施工一般(10問)
- 選択作業の専門知識(15問)
- 安全衛生(5問)
実技試験(作業区分別)
| 作業区分 | 試験内容 | 試験時間 |
|---|---|---|
| プラスチック系床 | ビニル床シートの張付け、溶接 | 2時間 |
| カーペット系床 | タイルカーペットの敷設 | 1時間30分 |
| 木質系床 | フローリングの張付け | 2時間 |
| 鋼製下地 | 軽量鉄骨壁下地の組立て | 2時間 |
| ボード仕上げ | 石膏ボードの張付け | 1時間30分 |
| カーテン | カーテンの縫製、レール取付け | 2時間 |
| 化粧フィルム | 化粧フィルムの張付け | 1時間30分 |
随時3級の試験内容
随時3級は、2年以上の実務経験に相当する技能レベルを評価します。
学科試験(30問・60分)
- 施工法に関する詳細知識
- 材料の特性と選定
- 品質管理の基礎
- 関係法規
実技試験
基礎級より複雑な課題を、より高い精度で施工することが求められます。
随時2級の試験内容
随時2級は、中級技能者として独立して作業できるレベルを評価します。
学科試験(50問・100分)
- 高度な施工技術
- 施工計画・工程管理
- 品質管理・検査
- 関係法規(建築基準法等)
実技試験
実際の現場を想定した総合的な課題に取り組みます。複数の工程を組み合わせた作業が課されます。
受入要件
受入れ人数枠
| 実習実施者の常勤職員数 | 基本人数枠 | 優良認定時 |
|---|---|---|
| 30人以下 | 3人 | 6人 |
| 31~40人 | 4人 | 8人 |
| 41~50人 | 5人 | 10人 |
| 51~100人 | 6人 | 12人 |
| 101~200人 | 10人 | 20人 |
| 201人以上 | 常勤職員の5% | 常勤職員の10% |
技能実習指導員の要件
- 内装仕上げ施工の実務経験5年以上
- 技能検定2級以上の取得者が望ましい
- 実習生5名につき1名以上を配置
生活指導員の要件
- 実習生の生活全般を指導
- 日本語学習のサポート
- 実習生5名につき1名以上を配置
安全衛生教育
内装仕上げ施工では、以下の安全衛生教育が必要です。
- 雇入れ時の安全衛生教育(法定)
- 脚立・はしごの安全使用教育
- 電動工具の安全使用教育
- 有機溶剤取扱い教育(接着剤使用時)
- 粉じん作業特別教育(ボード切断時)
建設分野特有要件
内装仕上げ施工は建設関係職種に該当するため、以下の特有要件が適用されます。
1. 建設キャリアアップシステム(CCUS)登録
技能実習生を含むすべての建設技能者は、CCUSへの登録が必要です。
- 技能者登録(顔写真付きカード発行)
- 現場入場時のカード読み取り
- 就業履歴の蓄積
2. JAC(建設技能人材機構)への加入
建設分野で技能実習生を受け入れる場合、実習実施者はJACの会員となる必要があります。
- 正会員または賛助会員として加入
- 年会費の納入
- 受入れに関する報告義務
3. 月給制の採用
建設分野の技能実習生には、月給制が義務付けられています。
- 日給・出来高払いは不可
- 毎月一定額以上の賃金を保証
- 天候等による休業時も賃金を支払う
4. 建設業許可
実習実施者は、以下のいずれかの建設業許可を取得している必要があります。
- 内装仕上工事業
- 建築工事業(一式)
キャリアパス(特定技能への移行)
特定技能「建設」への移行
内装仕上げ施工の技能実習を修了した方は、特定技能「建設」への移行が可能です。
移行要件
- 技能実習2号を良好に修了
- または建設分野特定技能1号評価試験に合格
- 日本語能力試験N4以上(技能実習修了者は免除)
特定技能で従事できる業務
特定技能「建設」では、内装仕上げ施工を含む幅広い建設作業に従事できます。
- 内装仕上げ作業全般
- 関連する付随的業務
在留期間
- 特定技能1号:通算5年
- 特定技能2号:上限なし(熟練技能者)
技能実習から特定技能への流れ
技能実習1号(1年)
↓ 基礎級合格
技能実習2号(2年)
↓ 随時3級合格
技能実習3号(2年)※優良認定時
↓ または技能実習2号修了後
特定技能1号(5年)
↓ 建設分野特定技能2号評価試験合格
特定技能2号(無期限)
育成就労制度への移行
2027年(令和9年)より、技能実習制度は「育成就労制度」に移行します。内装仕上げ施工は、育成就労制度においても対象職種となる見込みです。
育成就労制度の主な変更点
| 項目 | 技能実習制度 | 育成就労制度 |
|---|---|---|
| 制度目的 | 国際貢献・技能移転 | 人材育成・人材確保 |
| 在留期間 | 最長5年 | 3年(特定技能へ接続) |
| 転籍 | 原則不可 | 一定条件で可能 |
| 日本語要件 | 入国時なし | N5相当以上 |
※育成就労制度の詳細は、今後の法整備により確定します。
送出し国
当組合では、以下の国から技能実習生をご紹介しています。
ベトナム
- 日本語学習意欲が高い
- 器用で細かい作業に適性がある
- 建設分野での実績が豊富
インドネシア
- 温和な国民性
- チームワークを重視
- 内装工事への適性が高い
よくある質問(FAQ)
Q1. 内装仕上げ施工の7作業のうち、複数を同時に実習できますか?
いいえ、技能実習では1つの作業区分を選択して実習を行います。例えば「ボード仕上げ工事作業」を選択した場合、その作業に集中して技能を習得します。ただし、関連業務として他の作業を補助的に行うことは可能です。
Q2. 内装仕上げ施工で最も需要が高い作業は何ですか?
「鋼製下地工事作業」と「ボード仕上げ工事作業」の需要が高い傾向にあります。これらは多くの建築現場で必要とされる工程であり、技能実習生の受入れも多く行われています。
Q3. 技能検定の合格率はどのくらいですか?
基礎級の合格率は概ね90%以上です。実習実施者による事前の技能指導と、模擬試験の実施により、高い合格率を維持しています。随時3級・随時2級は難易度が上がるため、計画的な準備が重要です。
Q4. CCUSへの登録費用は誰が負担しますか?
技能者登録料(2,500円)は実習実施者が負担するのが一般的です。事業者登録料は事業者規模により異なります(資本金500万円未満の場合6,000円)。
Q5. 内装仕上げ施工から特定技能に移行した場合、どのような業務に従事できますか?
特定技能「建設」では、内装仕上げ作業を含む建設作業全般に従事できます。技能実習で習得した作業に限らず、幅広い建設業務を担当することが可能です。
Q6. 化粧フィルム工事作業は建設業に該当しますか?
はい、化粧フィルム工事作業も内装仕上げ施工の一部として建設関係職種に該当します。そのため、CCUS登録、JAC加入、月給制などの建設分野特有要件が適用されます。
Q7. 木質系床仕上げ工事では、無垢フローリングも扱いますか?
はい、木質系床仕上げ工事作業では、複合フローリングだけでなく無垢フローリングの施工も対象となります。材料の特性を理解し、適切な施工方法を習得することが求められます。
Q8. 技能実習生に有機溶剤の取扱いをさせても問題ありませんか?
内装仕上げ施工では接着剤等に有機溶剤を含む製品を使用することがあります。使用する場合は、有機溶剤作業主任者の選任と、技能実習生への特別教育が必要です。換気設備の設置や保護具の着用など、労働安全衛生法に基づく措置を講じてください。
お問い合わせ
内装仕上げ施工の技能実習生受入れについて、お気軽にご相談ください。
出典:厚生労働省「内装仕上げ施工技能検定試験の試験科目及びその範囲並びにその細目」

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