技能実習「林業」とは?【2026年最新】受入要件・技能検定を完全解説

技能実習「林業」は、森林の育成管理から木材の伐採・搬出までの技能を習得するための職種です。2024年9月30日に技能実習2号・3号への移行対象職種に追加された新しい分野であり、本記事では【2026年最新】の受入要件、技能検定の詳細内容、業務区分について徹底解説します。

林業職種の制度ポイント

  • 2024年9月追加:技能実習2号・3号への移行対象職種に新規追加された最新分野
  • 3号まで実習可能:最長5年間(1号1年+2号2年+3号2年)の技能実習が可能
  • 特定技能への移行:技能実習2号修了後、特定技能1号「林業」への移行が可能
  • 安全教育必須:チェーンソー特別教育等の安全衛生教育が必須

技能実習「林業」の基本情報

林業は、森林における育林作業(植林・下刈り・間伐等)と素材生産作業(伐木・造材・集材等)を行う職種です。技能実習制度の「農業・林業関係」に属し、2024年9月30日に移行対象職種に追加されました。

項目内容
職種名林業
作業名育林・素材生産作業
関係分野農業・林業関係(3職種7作業)
追加時期2024年9月30日(省令改正)
在留期間最長5年(1号1年+2号2年+3号2年)
技能検定林業 基礎級・随時3級・随時2級
試験実施機関一般社団法人 林業技能向上センター
主務省庁農林水産省(林野庁)・厚生労働省

林業職種の特徴とポイント

林業職種の5つの特徴

  1. 新規追加職種:2024年9月に追加された最新の移行対象職種
  2. 3号移行可能:最長5年間の技能実習が可能(優良認定必要)
  3. 高い専門性:チェーンソー操作、高性能林業機械の操作等の専門技能を習得
  4. 安全教育重視:危険を伴う作業のため、入国後の安全教育が必須
  5. 特定技能連携:技能実習修了後は特定技能「林業」への移行が可能

林業の制度趣旨

技能実習制度は、開発途上国等への技能移転による国際貢献を目的としています。林業職種では、日本の優れた森林管理技術・木材生産技術を技能実習生に修得させ、母国の林業発展に寄与することを目指します。

業務内容の詳細(4分類)

技能実習計画において、林業「育林・素材生産作業」で習得する業務は以下の4カテゴリに分類されます。

1. 必須業務(従事必須・時間配分50%以上)

技能実習生は以下の業務に必ず従事する必要があります。育林作業と素材生産作業の両方を実習計画に盛り込むことが求められます。

① 育林作業

  • 地ごしらえ:伐採跡地の整理、残材処理、植栽準備
  • 植付け(植栽):苗木の植付け、補植作業
  • 下刈り:植栽木の成長を妨げる雑草・灌木の刈り払い
  • つる切り:植栽木に巻き付くつる類の除去
  • 除伐:不要木の除去、形質不良木の伐採
  • 枝打ち:立木の下枝を切り落とす作業
  • 間伐:過密な森林の立木密度調整のための伐採

② 素材生産作業(伐木・造材・集材)

  • 伐木作業:立木の伐倒(受け口・追い口の切り込み、くさび打ち)
  • 枝払い:伐倒木の枝を切り落とす作業
  • 玉切り(採材):伐倒木を所定の長さに切断
  • 造材作業:丸太の規格選別、検尺・検知
  • 集材作業:伐採現場から集積場所への木材運搬
  • はい積み:丸太の積み上げ・整理

2. 関連業務(時間配分50%未満)

必須業務と組み合わせて行う業務です。関連業務のみの実習は認められません。

① 作業道・林道の整備

  • 林内作業道の開設・補修
  • 排水施設の設置・維持管理
  • 崩壊箇所の復旧作業

② 林業機械の点検・整備

  • チェーンソーの日常点検・整備
  • 刈払機の点検・整備
  • 高性能林業機械の日常点検
  • 燃料・オイルの補給・管理

③ 森林調査

  • 立木調査(樹高・胸高直径の測定)
  • 森林境界の確認
  • 林分の状況調査

④ 苗木の育成管理

  • 苗畑での苗木管理
  • コンテナ苗の取り扱い

3. 周辺業務(時間配分1/3未満)

  • 資材・器材の運搬
  • 作業現場の清掃・整理
  • 器具・工具の保管・管理
  • 作業記録の作成補助
  • 事務所内での事務補助

4. 安全衛生業務(全期間を通じて実施)

各業務の10%以上を安全衛生業務に充てる必要があります。林業は労働災害のリスクが高い業種であり、安全管理は特に重要です。

項目具体的内容
安全作業保護具の着用確認、作業前点検、危険予知活動
作業環境管理作業現場の安全確認、退避場所の設定
健康管理体調確認、熱中症対策、振動障害予防
緊急時対応応急処置、緊急連絡体制の確認
整理整頓作業現場・保管場所の整理整頓

業務時間配分の基準

技能実習計画の時間配分基準(OTIT)

業務カテゴリ時間配分備考
必須業務50%以上育林作業+素材生産作業
関連業務50%未満道路整備、機械整備、森林調査等
周辺業務1/3未満補助的業務のみ
安全衛生業務各業務の10%以上全期間を通じて実施

注意:育林作業と素材生産作業の両方を技能実習計画に盛り込む必要があります。

使用する機械・器具

主な林業機械

機械名用途備考
チェーンソー伐木、枝払い、玉切り特別教育必須
刈払機下刈り、つる切り安全衛生教育必須
フォワーダ集材(丸太運搬)走行集材機械
グラップル木材の把持・積込み油圧ショベルベース
ハーベスタ伐倒、枝払い、玉切りの複合作業高性能林業機械
プロセッサ枝払い、玉切りの複合作業高性能林業機械
スイングヤーダ架線集材急傾斜地での集材

主な器具・工具

カテゴリ具体的な器具
切削工具鉈(なた)、鎌、のこぎり、斧
測量器具輪尺、測桿、メジャー、コンパス
植栽器具植付け鎌、鍬、唐鍬
安全器具くさび、フェリングレバー、ロープ
保護具ヘルメット、防護服(チャップス)、安全靴、イヤーマフ、保護メガネ

技能検定の詳細

林業職種の技能検定は、一般社団法人 林業技能向上センターが厚生労働大臣の指定試験機関として実施します。2025年度は基礎級のみ実施され、随時3級は2026年度から開始予定です。

試験の概要

等級受験時期学科試験実技試験合格基準
基礎級1号修了時
(入国7〜9ヶ月後)
真偽法20問
60分
チェーンソー作業
3課題
学科65点以上
実技60点以上
随時3級2号修了時
(2026年度〜)
真偽法30問
30分
チェーンソー作業
3課題
学科65点以上
実技60点以上
随時2級3号修了時真偽法+選択式
50問
チェーンソー作業
+判断等試験
学科65点以上
実技60点以上(各40点以上)

学科試験の出題範囲

基礎級・随時3級の主な出題分野

1. 育林に関する知識

  • 森林の種類と特徴
  • 造林方法(人工造林・天然更新)
  • 植栽の時期と方法
  • 下刈り・つる切りの目的と方法
  • 除伐・間伐の目的と方法
  • 枝打ちの目的と方法

2. 素材生産に関する知識

  • 伐木作業の基本(受け口・追い口)
  • 伐倒方向の選定
  • 枝払い・玉切りの方法
  • 造材・検尺の方法
  • 集材方法の種類

3. 林業機械に関する知識

  • チェーンソーの構造と取り扱い
  • 刈払機の構造と取り扱い
  • 高性能林業機械の種類と用途
  • 機械の日常点検・整備

4. 安全衛生に関する知識

  • 林業労働災害の特徴と原因
  • 保護具の種類と着用方法
  • チェーンソー作業の安全対策
  • 伐木作業の安全対策
  • 熱中症・振動障害の予防
  • 緊急時の対応

※基礎級:ひらがな表記で出題
※随時3級:漢字(ひらがな併記)で出題

実技試験の内容

基礎級・随時3級の実技課題

チェーンソーを使用した以下の3課題で構成されます。

課題内容標準時間評価項目
課題1チェーンソー組立作業4分正確性、手順
課題2チェーンソー暖機運転7分(打切)始動手順、安全確認
課題3丸太輪切り作成作業4分精度、安全作業

評価のポイント

  • 安全性:保護具の着用、安全な姿勢・動作
  • 精度:切断面の垂直性、寸法の正確性
  • 手順:正しい作業手順の遵守
  • 時間:標準時間内での作業完了

2025年度の試験実施について

2025年度は基礎級のみの検定試験が実施されます。随時3級・随時2級は2026年度から開始予定です。最新の試験スケジュールは林業技能向上センターのウェブサイトでご確認ください。

安全衛生教育(必須)

林業は危険を伴う作業が多いため、入国後に以下の安全衛生教育を必ず実施する必要があります。

必須の安全衛生教育

① チェーンソーを用いて行う伐木等の業務に係る特別教育

科目時間
伐木等作業に関する知識5時間
チェーンソーに関する知識2時間
振動障害及びその予防に関する知識2時間
関係法令1時間
伐木等の方法(実技)15時間
チェーンソーの操作(実技)6時間
合計31時間

② 刈払機取扱作業者に対する安全衛生教育

科目時間
刈払機に関する知識1時間
刈払機を使用する作業に関する知識1時間
刈払機の点検及び整備に関する知識0.5時間
振動障害及びその予防に関する知識2時間
関係法令0.5時間
刈払機の作業等(実技)1時間
合計6時間

その他の安全教育

  • 雇入れ時の安全衛生教育(全員必須)
  • 高性能林業機械の運転に係る教育(使用する場合)
  • 車両系建設機械運転特別教育(使用する場合)
  • 玉掛け技能講習(使用する場合)

受入要件

実習実施者(受入企業)の要件

要件内容
法的要件①「林業労働力の確保の促進に関する法律」に基づく改善計画の認定を受けていること
法的要件②「森林経営管理法」に基づき民間事業者として公表されていること
事業実績林業事業体として事業実績があること
技能実習責任者実習を管理・監督する責任者を配置
技能実習指導員林業経験5年以上の技能者を配置
生活指導員技能実習生の生活面をサポートする担当者を配置
宿泊施設技能実習生のための適切な宿泊施設を確保

入国前・入国後講習

段階講習時間内容
技能実習1号総時間数46時間以上日本語、林業の基礎、安全衛生等
技能実習2号総時間数97時間以上より高度な林業技術、安全管理等

技能実習生の人数枠

常勤職員数に応じて受入可能な技能実習生の人数が決まります。

常勤職員数基本人数枠(1号)
301人以上常勤職員数の1/20
201〜300人15人
101〜200人10人
51〜100人6人
41〜50人5人
31〜40人4人
30人以下3人

技能実習の流れ

1年目
技能実習1号
・チェーンソー特別教育の受講
・安全作業の基礎習得
・下刈り、つる切り等の育林作業
・伐木作業の基礎
▼ 技能検定 基礎級 合格 ▼
2〜3年目
技能実習2号
・伐木作業の実践(大径木含む)
・高性能林業機械の操作習得
・造材・集材作業の実践
・後輩への指導補助
▼ 技能検定 随時3級 合格(2026年度〜)▼
4〜5年目
技能実習3号(優良認定必要)
・高度な伐木技能の習得
・作業計画の立案補助
・複合作業の実践
・優良監理団体・実習実施者のみ
▼ 技能検定 随時2級 合格 ▼
修了後
特定技能1号「林業」へ移行可能
・在留期間:最長5年
・技能実習2号修了者は試験免除
・より高度な業務に従事可能

特定技能への移行

技能実習2号を良好に修了した方は、特定技能1号「林業」への移行が可能です。特定技能「林業」は2024年4月から受入れが開始されています。

特定技能「林業」の概要

項目特定技能1号特定技能2号
在留期間最長5年上限なし(更新制)
技能水準相当程度の知識・経験熟練した技能
日本語能力基礎級テスト以上要件なし
家族帯同不可可能
技能実習からの移行2号修了で試験免除1号で3年以上の経験等

特定技能「林業」の業務内容

  • 育林作業:地ごしらえ、植付け、下刈り、つる切り、除伐、枝打ち、間伐
  • 素材生産作業:伐木、造材、集材

特定技能「林業」の試験は林業技能向上センターが実施する「林業技能測定試験」です。

育成就労制度(2027年〜)

2027年より育成就労制度がスタート

2027年より技能実習制度は「育成就労制度」に移行予定です。育成就労制度では、林業分野は対象分野として引き続き外国人材の受入れが可能です。

育成就労制度の主な変更点

  • 目的の明確化:「人材育成」と「人材確保」の両立
  • 転籍の柔軟化:一定条件下での転籍(転職)が可能に
  • 在留期間:最長3年(特定技能への移行を前提)
  • 日本語要件:入国時N5以上、1年後N4以上が目標

詳細は育成就労「林業」分野の解説ページをご覧ください。

送出し国

日越振興協同組合・キャリアリンクアジアでは、以下の国から林業分野で活躍できる優秀な人材を紹介しています。

🇻🇳 ベトナム

  • 林業教育機関との連携により基礎知識を持った人材を育成
  • 勤勉で真面目な国民性、厳しい作業環境にも適応力が高い
  • 日本語学習への意欲が高く、コミュニケーション能力の向上が期待できる

🇮🇩 インドネシア

  • 熱帯林での作業経験者が多く、森林作業に慣れた人材が豊富
  • 温和で協調性のある国民性、チームワークを重視
  • 体力があり、屋外作業への適応力が高い

よくある質問(FAQ)

Q1. 林業の技能実習は何年間できますか?

A. 林業は3号移行対象職種のため、最長5年間(1号1年+2号2年+3号2年)の技能実習が可能です。ただし、3号への移行には監理団体・実習実施者の優良認定が必要です。

Q2. 林業の技能実習にはどのような資格が必要ですか?

A. 実習実施者は、①「林業労働力の確保の促進に関する法律」に基づく改善計画の認定、②「森林経営管理法」に基づく民間事業者としての公表、の2つの要件を満たす必要があります。

Q3. チェーンソー特別教育は入国前に受けられますか?

A. いいえ、チェーンソー特別教育は日本国内で実施する必要があります。入国後、チェーンソーを使用する作業に従事させる前に、31時間以上の特別教育を実施してください。

Q4. 技能検定はいつ受験しますか?

A. 基礎級は技能実習1号の修了時(入国から7〜9ヶ月後)に受験します。なお、2025年度は基礎級のみ実施され、随時3級は2026年度から開始予定です。

Q5. 技能検定の合格率はどのくらいですか?

A. 林業技能検定の合格率目安は、3級が60〜70%程度、2級が30%程度、1級が5%未満です。実技試験ではチェーンソー操作の安全性と精度が重視されます。

Q6. 特定技能への移行は可能ですか?

A. はい、技能実習2号を良好に修了すれば、特定技能1号「林業」への移行が可能です。技能実習2号修了者は特定技能の技能試験・日本語試験が免除されます。

Q7. 高性能林業機械の操作は実習に含まれますか?

A. はい、フォワーダ、グラップル、ハーベスタ等の高性能林業機械の操作も関連業務として実習計画に含めることができます。ただし、必要な資格・教育を事前に実施する必要があります。

Q8. 林業の技能実習で注意すべき安全管理は何ですか?

A. 林業は労働災害のリスクが高い業種です。①チェーンソー作業時の防護服着用、②伐倒時の退避場所確保、③単独作業の禁止、④熱中症・振動障害の予防、⑤緊急連絡体制の確立が重要です。

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出典:林野庁「林業分野における外国人材の受入れ」、一般社団法人 林業技能向上センター、外国人技能実習機構(OTIT)「林業職種の育林・素材生産作業の基準について」、JITCO(2026年1月時点)

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