技能実習「左官」とは?【2026年最新】受入要件・技能検定・壁面仕上げを完全解説
技能実習「左官」(左官作業)は、建物の壁面をモルタルや漆喰で仕上げる伝統的かつ高度な技能を習得するための職種です。本記事では、【2026年最新】の受入要件、技能検定の内容、対象作業について詳しく解説します。
目次
左官のポイント
左官は建設分野の中でも職人技が求められる伝統的な職種です。約1,300年の歴史を持つ左官技術は、こてを使った手仕事による壁面仕上げであり、機械では代替できない高度な技能です。技能実習修了後は特定技能「建設」への移行が可能です。
技能実習「左官」(左官作業)とは
左官は、建物の内外装において、モルタルや漆喰、コンクリートなどを使い、壁面を平滑に仕上げる専門職です。技能実習制度の「建設関係」22職種のひとつであり、移行対象職種として最長5年間の実習が可能です。
左官工事は、装飾性、耐久性、快適性を目的とした建築仕上げ工程として、日本建築において欠かせない技能です。こて及びこて板を使用した塗り仕上げ作業が基本となり、下地の種類や仕上げの目的に応じて多様な工法が用いられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 職種名 | 左官 |
| 作業名 | 左官作業 |
| 関係分野 | 建設関係(22職種33作業) |
| 在留期間 | 最長5年(1号1年+2号2年+3号2年) |
| 技能検定 | 左官(左官作業)基礎級・3級・2級・1級 |
| 試験実施 | 各都道府県職業能力開発協会(前期のみ実施) |
| 審査基準 | 令和2年2月改正版 |
対象となる業務内容【4分類】
左官(左官作業)の技能実習では、業務内容が「必須業務」「関連業務」「周辺業務」「安全衛生業務」の4つに分類されています。技能実習計画の作成時には、必須業務が全体の50%以上を占める必要があります。
必須業務(全体の50%以上)
技能実習生が必ず従事しなければならない中核的な業務です。
1. 下地処理作業
- コンクリート下地の清掃・調整:現場打設コンクリート、PC部材等の下地処理
- ブロック・れんが下地の処理:コンクリートブロック及びれんが下地の調整
- 各種ボード下地の処理:ALCパネル、せっこうラスボード、木毛・木片セメント板等
- ラス下地の処理:鋼製金網及びラスシート下地の取付け補助
- 吸水調整:吸水調整材の塗布による下地の適正化
2. モルタル塗り作業
- セメントモルタル塗り:セメント、砂、水を調合したモルタルによる壁面仕上げ
- 既調合セメントモルタル塗り:プレミックスモルタルによる施工
- 下塗り:各種下地に応じた下塗りの実施
- むら直し:下塗り面の不陸調整
- 中塗り:下塗り乾燥後の中間層施工
- 上塗り:仕上げ面の平滑化
3. プラスター塗り作業
- せっこうプラスター塗り:内装壁面のせっこうプラスター仕上げ
- ドロマイトプラスター塗り:ドロマイト系プラスターによる仕上げ
- 既調合プラスター塗り:既調合せっこうプラスター、既調合ドロマイトプラスターの施工
4. しっくい塗り作業
- しっくい塗り:消石灰を主材とした伝統的なしっくい仕上げ
- 既調合しっくい塗り:プレミックスしっくいによる施工
- 漆喰による壁面仕上げ:日本建築特有の白壁仕上げ
5. 各種左官仕上げ作業
- 金ごて仕上げ:金属製こてによる平滑仕上げ
- 木ごて仕上げ:木製こてによる仕上げ
- 床塗り仕上げ:土間コンクリート、モルタル床の仕上げ
- ちりまわり塗り:開口部周りの処理
- ぬき伏せ:木材と壁の取り合い部の処理
6. こまい壁塗り作業
- 土物壁塗り:こまい壁土による伝統工法
- 大津壁塗り:色土による仕上げ壁
- 下げお打ち:壁の垂直精度確保のための作業
7. 特殊仕上げ作業
- かき落し粗面仕上げ:表面を掻き落として粗面にする仕上げ
- 繊維壁材塗り:繊維系仕上げ材による施工
- 人造石塗り・テラゾ現場塗り:種石を混入した人造石仕上げ
- 軽量骨材仕上塗材塗り:パーライト壁、ひる石壁の施工
関連業務(全体の50%未満)
必須業務に関連して行う業務で、技能習得に有効な作業です。
- 材料の練り混ぜ・調合:モルタル、プラスター等の材料調合と練り混ぜ
- 墨出し作業:壁面の位置、厚さを示す墨出し
- 養生作業:マスキング、シート養生等
- 樹脂プラスター仕上げ塗り:合成樹脂系プラスターによる仕上げ
- GL・ドライウォール工法:せっこうボードの直張り工法
- 引き型・型抜き工法:装飾的な造形仕上げ
- 各種吹付け工法:吹付け機による仕上げ
- 擬木・擬石工法:木や石を模した仕上げ
- 左官用材料の種類の判別:各種材料の識別と選定
周辺業務(全体の1/3未満)
技能実習の目的達成に支障のない範囲で行う補助的な業務です。
- 足場の架け払い補助:左官工事用足場の設置・撤去の補助
- 資材の運搬・整理:材料、器工具の運搬と整理
- 現場の清掃・片付け:作業場所の清掃と後片付け
- 工程表の読み取り:施工スケジュールの確認
- 関連工事との連携:木工事、タイル工事等との調整
安全衛生業務(必須)
技能実習生の安全と健康を守るために必ず実施する業務です。
- 雇入れ時等の安全衛生教育:安全作業の基本教育
- 保護具の使用:保護眼鏡、防塵マスク、手袋等の着用
- 整理整頓・清潔の保持:作業場の5S活動
- 作業開始時の点検:器工具、機械の始業前点検
- 危険有害性の理解:セメント、粉塵等の危険性認識
- 疾病予防:皮膚炎、塵肺等の職業病予防
- 応急処置・退避:緊急時の対応訓練
使用する主な器工具・機械
厚生労働省の技能検定基準では、以下の器工具・機械の知識と使用技能が求められます。
| 分類 | 器工具・機械名 | 用途 |
|---|---|---|
| こて類 | 金ごて | 仕上げ用、平滑な表面仕上げ |
| 木ごて | 中塗り、荒仕上げ用 | |
| 角ごて | 入隅・出隅の仕上げ | |
| 柳刃ごて | 細部の仕上げ | |
| こて板 | 材料の保持・運搬 | |
| 面引きごて | 角の面取り | |
| 道具類 | 墨出し用具 | 壁面位置の墨付け |
| 定規・水平器 | 平滑度・垂直度の確認 | |
| ブラシ | 下地の清掃、表面処理 | |
| ひしゃく・練り舟 | 材料の練り混ぜ・運搬 | |
| 機械類 | ミキサー | 材料の練り混ぜ |
| ポンプ | モルタルの圧送 | |
| 吹付け機 | 吹付け仕上げ | |
| 研磨機 | 表面の研磨仕上げ |
【図解】技能実習の流れ
・器工具の種類・用途の理解
・材料の調合・練合せの基礎
・簡単な墨出し
・下塗り・むら直しの基本技能
・安全衛生の基礎
・セメントモルタル塗り・せっこうプラスター塗りの習熟
・各種下地に応じた施工
・床塗り工法の習得
・材料の種類判別能力向上
・施工計画の理解
・高度な仕上げ技法(しっくい塗り、こまい壁塗り等)
・多様な工法の習得
・施工計画の立案能力
・後輩への指導能力
・優良監理団体・実習実施者のみ
技能検定について【厚労省基準準拠】
左官(左官作業)の技能検定は、厚生労働省が定めた試験基準に基づき、各都道府県職業能力開発協会が実施しています。技能実習生は「随時試験」として受検します。
重要:左官職種は前期のみ実施
左官職種の技能検定は前期のみの実施となります。技能実習計画を立てる際は、試験スケジュールを十分考慮してください。随時試験についても実施時期に制約があるため、監理団体と早めに相談することをお勧めします。
試験の種類と概要
| 等級 | 技能レベル | 受検時期 | 主な試験内容 |
|---|---|---|---|
| 基礎級 | 基本的な業務遂行能力 | 1号終了時 | 簡単な墨出し、下塗り・上塗り、基本工法 |
| 3級 | 初級技能者レベル | 2号終了時 | 各種工法の簡単な施工、材料判別 |
| 2級 | 中級技能者レベル | 3号中 | 多様な工法の施工、材料判別 |
| 1級 | 上級技能者レベル | 実務経験後 | 高度な工法、見取図・原寸図作成、積算 |
基礎級技能検定の詳細
基礎級は、左官の職種に係る基本的な業務を遂行するために必要な基礎的な技能及びこれに関する知識の程度を基準としています。
基礎級 学科試験の範囲
1. 主な左官施工の方法
【器工具・機械の種類】初歩的な知識
- こて類
- 墨出し用具、定規、水平器、ブラシ等の道具
- ポンプ、ミキサー等の機械
【左官下地の種類】初歩的な知識
- 現場打設コンクリート下地
- コンクリートブロック及びれんが下地
- せっこうラスボード下地
- セメントモルタル塗り下地
- せっこうプラスター下地
【墨出しの方法】初歩的な知識
【左官工事の工法】初歩的な知識
- 左官工事の工法に応じた材料の調合及び練合せ
- せっこうプラスター塗り工法
- セメントモルタル塗り工法
- 既調合セメントモルタル塗り工法
- 床塗り工法
【故障の原因】左官工事の故障の種類及び原因について初歩的な知識
【施工計画】施工順序、材料の搬入及び保管について初歩的な知識
【施工設備の種類】足場、給排水設備、運搬設備、倉庫について初歩的な知識
【関連工事の種類】木工事、タイル工事、コンクリートブロック・れんが工事について初歩的な知識
2. 左官材料の種類
【結合材】セメント、せっこうプラスター
【混和材料】無機質混和剤、合成樹脂系混和剤、減水剤、防水剤、既調合混和材料、顔料
【骨材】砂、パーライト、バーミキュライト、膨張頁岩、焼成フライアッシュ、左官用軽量発泡骨材、石粉
【水】
【補強材料】すさ、下げお
【既調合材料】ラス下地用既調合軽量セメントモルタル、仕上塗材用下地調整塗材、既調合セメントモルタル、カラーセメント、既調合せっこうプラスター、セルフレベリング材
【補助材料】目地棒、吸水調整材、合成樹脂系シーラー
【関連工事用材料】左官下地用材料、建築用木材について初歩的な知識
3. 安全衛生に関する基礎的な知識
- 機械、器工具、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱方法
- 安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及び取扱方法
- 作業手順
- 作業開始時の点検
- 左官工事に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防
- 整理、整頓及び清潔の保持
- 事故時等における応急処置及び退避
- 安全衛生標識(立入禁止、安全通路、保護具着用、火気厳禁等)
- 合図
- 服装
基礎級 実技試験の範囲
下塗り及び中塗り|左官作業|左官工事の施工
- 簡単な墨出しができること
- 各種下地に応じた下塗りができること
- むら直し及び上塗りができること
- 次に掲げる工法の簡単な施工ができること
- せっこうプラスター塗り工法
- セメントモルタル塗り工法
- 床塗り工法
3級(随時3級)技能検定の詳細
3級は、左官の職種における初級の技能者が通常有すべき技能の程度を基準としています。技能実習2号修了時に受検します。
3級 学科試験の範囲
1. 施工法(概略の知識)
【器工具・機械の種類、用途及び使用方法】
- こて類
- 墨出し用具、定規、水平器、ブラシ等の道具
- ポンプ、研磨機、吹付け機、ミキサー等の機械
【左官下地の種類及び特徴】
- 現場打設コンクリート下地、PC部材下地
- コンクリートブロック及びれんが下地
- ALCパネル下地、鋼製金網及びラスシート下地
- せっこうラスボード下地、木毛・木片セメント板下地
- こまい下地、セメントモルタル塗り下地
- せっこうプラスター下地、土壁塗り下地
【墨出しの方法】概略の知識
【左官工事の工法及び特徴】
- 左官工事の工法に応じた材料の選定、調合及び練合せ
- 施工中の温度、湿度及び天候の影響
- しっくい塗り、ドロマイトプラスター塗り、せっこうプラスター塗り
- 樹脂プラスター仕上げ塗り、セメントモルタル塗り、既調合セメントモルタル塗り
- こまい壁塗り(大津壁塗り、土物壁塗り)
- かき落し粗面仕上げ、繊維壁材塗り
- 人造石塗り及びテラゾ現場塗り
- 軽量骨材仕上塗材塗り(パーライト壁、ひる石壁)
- GL・ドライウォール工法、床塗り工法
【故障の原因、防止方法及び修理方法】概略の知識
【施工計画】施工順序、材料の搬入及び保管、作業員の配置、作業機材の設置、関連他工事との連けい、工程表の読み取りについて概略の知識
【施工設備の種類及び用途】足場、給排水設備、電気設備、運搬設備、倉庫について概略の知識
【関連工事の種類及び特徴】木工事、タイル工事、コンクリートブロック・れんが工事、屋根工事、石工事、塗装工事、設備工事について概略の知識
2. 材料(概略の知識)
【結合材】セメント、せっこうプラスター、ドロマイトプラスター、消石灰、貝灰、こまい壁土、アスファルト
【混和材料】無機質混和剤、合成樹脂系混和剤、減水剤、防水剤、しっくい用のり、こまい壁用のり、既調合混和材料、顔料
【骨材】砂、パーライト、バーミキュライト、膨張頁岩、焼成フライアッシュ、左官用軽量発泡骨材、種石、色砂、アスファルトモルタル用砕石、石粉
【水】
【補強材料】すさ、下げお、しゅろ毛及びパーム、その他の繊維類
【既調合材料】ラス下地用既調合軽量セメントモルタル、仕上塗材用下地調整塗材、既調合セメントモルタル、カラーセメント、かき落しリシン材、セメントスタッコ、ローラー模様仕上塗材、既調合せっこうプラスター、既調合ドロマイトプラスター、既調合しっくい、繊維壁材、こて塗用軽量塗材、樹脂プラスター、セルフレベリング材
【補助材料】目地棒、吸水調整材、合成樹脂系シーラー
【関連工事用材料】左官下地用材料、建築用木材、断熱・吸音材料、内外装仕上げ材料について概略の知識
3. 建築構造(概略の知識)
【構造の種類及び特徴】木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、組積造、プレハブ造
【建築物の主要部分】軸組、小屋組、屋根、天井、床、壁、開口部、階段
4. 製図(概略の知識)
日本産業規格の建築製図通則のうち、建築設計図の関連部分の読図に必要な事項
5. 関係法規(概略の知識)
建築基準法に関し、工事現場の危害防止に関する規定
6. 安全衛生(詳細な知識)
- 機械、器工具、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱方法
- 安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及び取扱方法
- 作業手順
- 作業開始時の点検
- 左官工事に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防
- 整理、整頓及び清潔の保持
- 事故時等における応急処置及び退避
- その他左官工事に関する安全又は衛生のための必要な事項
- 労働安全衛生法関係法令(左官工事に関する部分に限る)
3級 実技試験の範囲
左官作業|左官工事の施工
- 簡単な墨出しができること
- 左官材料(せっこうプラスター塗り工法及びセメントモルタル塗り工法に関するものに限る)の調合及び練合せができること
- 各種下地に応じた下塗りができること
- むら直し、中塗り及び上塗りができること
- 次に掲げる工法の簡単な施工ができること
- せっこうプラスター塗り工法
- セメントモルタル塗り工法
- 床塗り工法
- 一般的な左官用材料の種類の判別ができること
2級(随時2級)技能検定の詳細
2級は、左官の職種における中級の技能者が通常有すべき技能の程度を基準としています。技能実習3号期間中に受検します。
2級 学科試験の範囲
1. 施工法
【器工具・機械】種類、用途及び使用方法について詳細な知識
【左官下地】12種類の下地について詳細な知識
【墨出しの方法】詳細な知識
【左官工事の工法】一般的な知識
- 材料の選定、調合及び練合せ
- 温度、湿度及び天候の影響
- 16種類の工法(しっくい塗り、ドロマイトプラスター塗り、せっこうプラスター塗り、樹脂プラスター仕上げ塗り、セメントモルタル塗り、既調合セメントモルタル塗り、こまい壁塗り、かき落し粗面仕上げ、繊維壁材塗り、人造石塗り・テラゾ現場塗り、軽量骨材仕上塗材塗り、擬木・擬石、GL・ドライウォール、引き型・型抜き、床塗り、各種吹付け)
【故障の原因、防止方法及び修理方法】一般的な知識
【施工計画】施工順序、材料搬入・保管、作業員配置、作業機材設置、関連工事連携、工程表作成について一般的な知識
【施工設備】一般的な知識
【関連工事】7種類の関連工事について概略の知識
2. 材料(一般的な知識)
3級で求められる材料に加え、規格についても一般的な知識が必要
3. 意匠図案(概略の知識)
床、壁、天井及び開口部の意匠図案、色彩調節、色彩と採光及び照明との関係
4. 建築構造(概略の知識)
6種類の構造、8種類の建築物主要部分
5. 製図(概略の知識)
建築設計図の関連部分の読図
6. 関係法規(概略の知識)
- 防火地域及び準防火地域に関する規定
- 防火区画及び遮音壁に関する規定
- 工事現場の危害防止に関する規定
7. 安全衛生(詳細な知識)
3級と同様の8項目に加え、労働安全衛生法関係法令
2級 実技試験の範囲
左官作業|左官工事の施工
- 墨出しができること
- 左官材料の調合及び練合せができること
- 各種下地に応じた下塗りができること
- ちりまわり塗り、ぬき伏せ及び下げお打ちができること
- むら直し、中塗り及び上塗りができること
- 次に掲げる工法の施工ができること
- しっくい塗り工法
- ドロマイトプラスター塗り工法
- せっこうプラスター塗り工法
- セメントモルタル塗り工法
- こまい壁塗り工法(土物壁塗り工法)
- 床塗り工法
- 各種吹付け工法
- 左官用材料の種類の判別ができること
1級技能検定の詳細
1級は、左官の職種における上級の技能者が通常有すべき技能の程度を基準としています。技能実習修了後、さらに実務経験を積んだ後に受検することが一般的です。
1級 学科試験の範囲
1. 施工法(詳細な知識)
すべての項目について詳細な知識が求められます。
- 器工具・機械の種類、用途、使用方法
- 12種類の左官下地の種類及び特徴
- 墨出しの方法
- 16種類の左官工事工法の施工方法、種類及び特徴
- 故障の種類、原因、防止方法、修理方法
- 施工計画(施工順序、材料搬入・保管、作業員配置、作業機材設置、関連工事連携、工程表作成)
- 施工設備の種類及び用途
- 関連工事(木工事、タイル工事、コンクリートブロック・れんが工事、屋根工事、石工事、塗装工事、設備工事)の種類及び特徴
2. 材料(詳細な知識)
すべての左官材料の種類、規格、性質及び用途について詳細な知識が必要
3. 意匠図案(一般的な知識)
床、壁、天井及び開口部の意匠図案、色彩調節、色彩と採光及び照明との関係について一般的な知識
4. 建築構造(一般的な知識)
6種類の構造、8種類の建築物主要部分について一般的な知識
5. 製図(一般的な知識)
建築設計図の関連部分の読図に必要な事項について一般的な知識
6. 関係法規(一般的な知識)
- 防火地域及び準防火地域に関する規定
- 防火区画及び遮音壁に関する規定
- 工事現場の危害防止に関する規定
7. 安全衛生(詳細な知識)
2級と同様の内容について詳細な知識
1級 実技試験の範囲
左官作業
【見取図及び原寸図の作成】見取図及び原寸図の作成ができること
【左官工事の施工】
- 墨出しができること
- 左官材料の調合及び練合せができること
- 各種下地に応じた下塗りができること
- ちりまわり塗り、ぬき伏せ及び下げお打ちができること
- むら直し、中塗り及び上塗りができること
- 次に掲げる16種類の工法の施工ができること
- しっくい塗り工法
- ドロマイトプラスター塗り工法
- せっこうプラスター塗り工法
- 樹脂プラスター仕上げ塗り工法
- セメントモルタル塗り工法
- 既調合セメントモルタル塗り工法
- こまい壁塗り工法(大津壁塗り工法、土物壁塗り工法)
- かき落し粗面仕上げ工法
- 繊維壁材塗り工法
- 人造石塗り及びテラゾ現場塗り工法
- 軽量骨材仕上塗材塗り工法(パーライト壁工法、ひる石壁工法)
- 擬木・擬石工法
- GL・ドライウォール工法
- 引き型及び型抜き工法
- 床塗り工法
- 各種吹付け工法
- 左官用材料の種類の判別ができること
- 引き型の製作及び引きができること
- 型抜き模様の製作及び取付けができること
【積算及び見積り】図面、仕様書等により積算及び見積りができること
左官材料の種類と特徴
厚生労働省の技能検定基準では、左官材料を7つのカテゴリーに分類しています。技能実習生は、これらの材料の種類、性質、用途について学びます。
1. 結合材
| 材料名 | 特徴・用途 |
|---|---|
| セメント | モルタル塗りの主材料。強度・耐久性に優れる |
| せっこうプラスター | 内装仕上げ用。硬化が速く、平滑な仕上がり |
| ドロマイトプラスター | 内装仕上げ用。作業性が良い |
| 消石灰 | しっくいの主材料。調湿性・抗菌性に優れる |
| 貝灰 | 伝統的なしっくい材料。独特の風合い |
| こまい壁土 | 土壁の主材料。調湿性・蓄熱性に優れる |
| アスファルト | 防水層用。水回りの下地に使用 |
2. 混和材料
| 材料名 | 特徴・用途 |
|---|---|
| 無機質混和剤 | モルタルの性質改善 |
| 合成樹脂系混和剤 | 接着性・防水性の向上 |
| 減水剤 | 水量を減らして強度向上 |
| 防水剤 | 防水性の付与 |
| しっくい用のり | しっくいの作業性改善 |
| こまい壁用のり | 土壁の結合力強化 |
| 顔料 | 着色用 |
3. 骨材
| 材料名 | 特徴・用途 |
|---|---|
| 砂 | モルタルの主要骨材 |
| パーライト | 軽量骨材。断熱性向上 |
| バーミキュライト | 軽量骨材。耐火性・断熱性 |
| 膨張頁岩 | 軽量骨材 |
| 焼成フライアッシュ | 軽量骨材 |
| 種石 | 人造石・テラゾ用の装飾骨材 |
| 色砂 | 装飾仕上げ用 |
| 石粉 | 仕上げ材料の充填材 |
4. 補強材料
| 材料名 | 特徴・用途 |
|---|---|
| すさ | しっくい・土壁のひび割れ防止 |
| 下げお | 壁の垂直精度確保 |
| しゅろ毛・パーム | モルタルの補強繊維 |
| その他の繊維類 | 各種合成繊維等 |
5. 既調合材料
現場での調合作業を省略できるプレミックス製品です。
- ラス下地用既調合軽量セメントモルタル
- 仕上塗材用下地調整塗材
- 既調合セメントモルタル
- カラーセメント
- かき落しリシン材
- セメントスタッコ
- ローラー模様仕上塗材
- 既調合せっこうプラスター
- 既調合ドロマイトプラスター
- 既調合しっくい
- 繊維壁材
- こて塗用軽量塗材
- 樹脂プラスター
- セルフレベリング材
6. 補助材料
| 材料名 | 特徴・用途 |
|---|---|
| 目地棒 | 目地の形成 |
| 吸水調整材 | 下地の吸水調整 |
| 合成樹脂系シーラー | 下地の強化・接着性向上 |
左官工法の種類と特徴
厚生労働省の技能検定基準では、16種類の左官工法が規定されています。各工法の特徴を理解し、適切な施工を行うことが求められます。
| 工法名 | 特徴・用途 | 主な材料 |
|---|---|---|
| しっくい塗り工法 | 伝統的な白壁仕上げ。調湿性・抗菌性に優れる | 消石灰、すさ、のり |
| ドロマイトプラスター塗り工法 | 内装壁の仕上げ。作業性が良い | ドロマイトプラスター |
| せっこうプラスター塗り工法 | 内装壁の仕上げ。平滑な仕上がり | せっこうプラスター |
| 樹脂プラスター仕上げ塗り工法 | 耐久性・耐水性に優れた仕上げ | 樹脂プラスター |
| セメントモルタル塗り工法 | 内外装の下地・仕上げ。最も一般的 | セメント、砂、水 |
| 既調合セメントモルタル塗り工法 | 品質安定。作業効率向上 | 既調合モルタル |
| こまい壁塗り工法 | 伝統的な土壁。調湿・蓄熱性 | こまい壁土 |
| かき落し粗面仕上げ工法 | 表面を掻き落として粗面に仕上げる | リシン材 |
| 繊維壁材塗り工法 | 繊維系の仕上げ材による施工 | 繊維壁材 |
| 人造石塗り・テラゾ現場塗り工法 | 種石を混入した装飾仕上げ | 種石、セメント |
| 軽量骨材仕上塗材塗り工法 | 断熱性・吸音性に優れる | パーライト、ひる石 |
| 擬木・擬石工法 | 木や石を模した仕上げ | モルタル、顔料 |
| GL・ドライウォール工法 | せっこうボードの直張り | せっこうボード、接着剤 |
| 引き型・型抜き工法 | 装飾的な造形仕上げ | モルタル、型枠 |
| 床塗り工法 | 土間・床のモルタル仕上げ | セメントモルタル |
| 各種吹付け工法 | 吹付け機による仕上げ | 吹付け材 |
受入要件
実習実施者(受入企業)の要件
建設分野特有の要件
建設分野の技能実習には、他分野にはない特別な要件があります。
| 要件 | 詳細 |
|---|---|
| 事業内容 | 建設業許可を有する、または左官工事を行っていること |
| 技能実習指導員 | 左官作業に5年以上従事した経験者を配置 (左官技能士が望ましい) |
| 建設キャリアアップシステム(CCUS) | 事業者登録・技能者登録が必須 |
| JACへの加入 | 建設技能人材機構(JAC)への加入が必須 |
| 月給制 | 技能実習生の報酬は月給制とすること |
| 建設業許可 | 左官工事業の建設業許可が必要 |
技能実習生の要件
| 要件 | 詳細 |
|---|---|
| 年齢 | 18歳以上 |
| 日本語能力 | 入国時:N5相当以上(推奨N4) |
| 健康状態 | 立ち作業・足場上での作業に従事可能な健康状態 |
| その他 | 帰国後に日本で修得した技能を活かす意思があること |
人数枠
建設分野の技能実習生の人数枠は、常勤職員の総数に応じて設定されます。
| 常勤職員数 | 技能実習生の人数枠(基本) |
|---|---|
| 30人以下 | 常勤職員数の10分の3 |
| 31〜40人 | 9人 |
| 41〜50人 | 10人 |
| 51〜100人 | 15人 |
| 101〜200人 | 20人 |
| 201人以上 | 常勤職員数の10分の1 |
【図解】キャリアパス
左官(左官作業)
建設分野
(建築区分)
建設分野
建設分野・班長として従事可能・在留期間更新上限なし
2027年からの育成就労制度への移行
育成就労制度について
2027年4月から技能実習制度は「育成就労制度」に移行します。左官は「建設」分野として育成就労の対象となります。
主な変更点:
・人材育成と人材確保の両立が目的
・転籍要件の緩和(同一分野内で転籍可能)
・特定技能へのスムーズな移行
・3年間の育成期間で特定技能1号水準を目指す
注意事項
類似職種との混同に注意
技能実習制度では、左官と類似する業務が存在します。以下の点に注意してください。
- 土木系の作業や躯体工事は左官とは別職種
- タイル張り・ブロック積みは左官に含まれない
- 塗装工事は左官とは別職種
- 不明な場合は事前に監理団体と協議
技能実習制度の本来目的
技能実習制度は、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的とした制度です。技能実習生が日本で習得した左官技術を母国に持ち帰り、その国の建設産業の発展に貢献することが期待されています。
よくある質問(FAQ)
左官職種の技能検定は前期のみの実施となります。技能実習計画を立てる際は、試験スケジュールを考慮してください。随時試験については監理団体に確認してください。
いいえ。タイル張りは別職種「タイル張り」として設定されています。左官作業は壁面のモルタル・漆喰仕上げが対象です。
技能検定3級以上に合格すれば、特定技能「建設」(建築区分)への移行が可能です。特定技能1号は最長5年、その後2号に移行すれば班長レベルの業務に従事でき、在留期間の上限なく日本で働くことができます。
基礎級は「基本的な業務遂行に必要な基礎的な技能」、3級は「初級技能者が通常有すべき技能」を基準としています。基礎級では簡単な墨出しと基本工法ができればよいですが、3級では材料の調合・練合せや材料判別能力も求められます。
はい、建設分野の技能実習では、CCUS(建設キャリアアップシステム)への事業者登録・技能者登録が必須です。入国前に登録手続きを完了させる必要があります。
学科試験は65点以上(100点満点)、実技試験は60点以上(100点満点)で合格となります。両方の試験に合格する必要があります。
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参考資料
出典:厚生労働省「左官技能検定試験の試験科目及びその範囲並びにその細目」(令和2年2月)

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