技能実習「とび」とは?【2026年最新】受入要件・技能検定・足場組立を完全解説
目次
技能実習「とび」(とび作業)は、建設現場における足場の組立て・解体、重量物の運搬・設置に必要な技能を習得するための職種です。本記事では、【2026年最新】の受入要件、技能検定の内容、対象作業について詳しく解説します。
とびのポイント
- とびは建設分野であらゆる工事の基盤となる職種です
- 足場がなければ高所作業はできず、建設現場の安全を支える重要な役割を担っています
- 技能実習修了後は特定技能「建設」への移行が可能です
- 日本の高度な足場技術を母国に技能移転する国際貢献ができます
技能実習「とび」(とび作業)とは
とびは、建築現場や土木工事現場において、足場等の仮設構造物の組立て・解体、重量物の運搬・設置を行う職種です。技能実習制度の「建設関係」22職種のひとつであり、移行対象職種として最長5年間の実習が可能です。
とび職人は「建設現場の華」とも呼ばれ、高所での作業を安全に行うための足場を組み立てる専門技術者です。日本のとび技術は世界的にも高い水準にあり、複雑な形状の建物にも対応できる足場組立技術は、母国での建設産業発展に大きく貢献できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 職種名 | とび |
| 作業名 | とび作業 |
| 関係分野 | 建設関係(22職種33作業) |
| 在留期間 | 最長5年(1号1年+2号2年+3号2年) |
| 技能検定 | とび(とび作業)基礎級・3級・2級・1級 |
| 試験実施 | 各都道府県職業能力開発協会 |
| 制定 | 昭和39年度(基礎級・3級は平成6年度制定、平成22年度改正) |
対象となる業務内容【4カテゴリ分類】
とび(とび作業)で習得する技能は、技能実習計画認定基準に基づき、必須業務・関連業務・周辺業務・安全衛生業務の4カテゴリに分類されます。
必須業務(7作業)
必須業務は技能実習計画全体の50%以上を占める必要があります。
| 作業名 | 定義・内容 | 使用する主な工具・機械 |
|---|---|---|
| 1. とび作業の段取り | 建設工事における各種とび作業の工程及び必要機材の準備を行う作業 | 図面、作業計画書、チェックリスト |
| 2. 足場の組立て・解体 | 丸太足場、単管足場、枠組足場、くさび式足場等の仮設構造物を組み立て・解体する作業 | 番線カッター、ハンマー、スパナ、ラチェット、水平器、下げ振り |
| 3. 架設通路の組立て・解体 | 工事現場における仮設の通路を組み立て・解体する作業 | 足場板、手すり材、単管パイプ |
| 4. 構台・養生設備の組立て・解体 | 荷揚げ用の構台や養生シート等の設備を組み立て・解体する作業 | 構台材、養生シート、ネット |
| 5. 掘削・土止め作業 | 基礎工事に伴う掘削(根切り)および土止め支保工の設置作業 | 矢板、腹おこし、切りばり |
| 6. 玉掛け作業 | 重量物の運搬・設置のための玉掛け作業(ワイヤロープ等を用いたつり荷作業) | ワイヤロープ、シャックル、フック、スリング |
| 7. 重量物の運搬・設置 | 建設資材等の重量物を運搬・設置する作業 | ころ、こした、てこ、ウインチ |
関連業務(5作業)
関連業務は技能実習計画全体の50%未満とする必要があります。
| 作業名 | 内容 | 関連する必須業務 |
|---|---|---|
| 1. 仮設建築物の組立て・解体 | 仮囲い、上屋、下小屋等の仮設建築物を組み立て・解体する作業 | とび作業の段取り、足場の組立て・解体 |
| 2. 支保工の組立て・解体 | 型枠支保工、土止め支保工の組立て・解体作業 | 構台・養生設備の組立て・解体 |
| 3. 鉄骨建方作業 | 鉄骨構造物の組立て(建方)作業 | 玉掛け作業、重量物の運搬・設置 |
| 4. 木造建方作業 | 木造建築物の軸組(柱・梁等)の組立て作業 | 玉掛け作業、重量物の運搬・設置 |
| 5. 地業作業 | 玉石地業、割栗地業、砂利敷地業、杭打ち地業等の基礎工事 | 掘削・土止め作業 |
周辺業務
周辺業務は技能実習計画全体の1/3未満とする必要があります。
- 材料・資材の運搬・整理
- 足場の点検・保守
- 仮設電気・仮設水道の設置補助
- 現場の清掃・片付け
- 工具・機材の点検・整備
- コンクリート打設の補助
- 大型仕上材の取付け補助
安全衛生業務
安全衛生業務は必須業務・関連業務・周辺業務のいずれとも重複して実施します。
| 項目 | 実施内容 |
|---|---|
| 危険性・有害性の理解 | 機械、工具、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱い方法の習得 |
| 保護具の使用 | 安全装置又は保護具(保護帽、安全帯・フルハーネス)の性能及び取扱い方法の習得 |
| 作業手順の遵守 | 定められた作業手順に従った作業の実施 |
| 始業点検 | 作業開始時の点検(足場の緊結状態、作業床の状態、手すり・中桟等の確認) |
| 疾病予防 | とび作業に関して発生するおそれのある疾病(腰痛、熱中症等)の原因及び予防 |
| 整理整頓 | 整理整頓及び清潔の保持(5S活動) |
| 緊急時対応 | 事故時における応急措置及び退避方法の習得 |
| 安全標識の理解 | 立入禁止、安全通路、保護具着用、火気厳禁等の安全衛生標識の理解 |
| 合図の習得 | クレーン等の運転のための合図方法の習得 |
業務時間配分の基準
技能実習計画認定基準に基づく業務時間配分は以下のとおりです。
| 業務区分 | 時間配分 | 備考 |
|---|---|---|
| 必須業務 | 50%以上 | とび作業の段取り、足場の組立て・解体、玉掛け等 |
| 関連業務 | 50%未満 | 仮設建築物、支保工、鉄骨・木造建方、地業 |
| 周辺業務 | 1/3未満 | 材料運搬、清掃、点検・整備 |
| 安全衛生業務 | (重複計上) | 全ての業務に含めて実施 |
注意事項
- 足場の点検・保守のみを行う業務は対象外です
- 資材運搬のみを行う業務は対象外です
- 足場の組立て・解体を伴わない作業のみでは技能実習の対象となりません
【図解】技能実習の流れ
・足場材の種類・規格の理解
・基本的な組立て・解体技能
・安全作業(高所作業)の基礎
・玉掛けの基本
・複雑な足場の組立て
・玉掛け・揚重作業の応用
・図面読解力の向上
・土止め・掘削作業
・高度な施工技能の習得
・後輩への指導能力
・複雑な仮設構造物の設計・施工
・優良監理団体・実習実施者のみ
技能検定について
とび(とび作業)の技能検定は、各都道府県職業能力開発協会が実施しています。技能実習生は「随時試験」として受検します。以下の内容は厚生労働省「とび技能検定試験の試験科目及びその範囲並びにその細目」(平成23年3月)に基づいています。
基礎級(技能実習1号修了時)
技能検定試験の合格に必要な技能及び知識の程度
とび職種に係る基本的な業務を遂行するために必要な基礎的な技能及びこれに関する知識の程度を基準とする。
学科試験の範囲
| 試験科目 | 試験範囲 | 細目 |
|---|---|---|
| 1. 主なとび施工の方法 | とび工事に使用する器工具の種類及び用途 | ・丸太足場の組立て及び解体用の器工具について基礎的な知識 ・単管及び枠組足場の組立て及び解体用の器工具について基礎的な知識 |
| 仮設の建設物の組立て及び解体の方法 | ・丸太足場、単管足場、枠組足場、足場に取り付ける養生設備の組立て・解体について初歩的な知識 | |
| 掘削、土止め及び地業の方法 | ・布掘り、溝掘り、段掘りの方法について初歩的な知識 | |
| 躯体工事の方法 | ・木造建築物、鉄骨建築物の軸部の組立て方法について初歩的な知識 ・コンクリート打設について初歩的な知識 | |
| 建設物の解体の方法 | ・木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の解体工事について初歩的な知識 | |
| 建設工事に使用する機械及び設備の種類 | ・仮設工事、土木工事、躯体工事、解体工事に使用する建設機械及び設備について初歩的な知識 | |
| 重量物の運搬方法 | ・ころ、こした及びてこによる方法について初歩的な知識 ・ウインチ、デリック等による方法について初歩的な知識 | |
| 2. とび工事用材料の種類 | とび工事用材料の種類 | ・足場材、養生材の種類について初歩的な知識 |
| 3. 安全衛生 | 安全衛生に関する基礎的な知識 | ・機械、工具、原材料等の危険性又は有害性及び取扱い方法 ・安全装置又は保護具(保護帽及び安全帯)の性能及び取扱い方法 ・作業手順、作業開始時の点検 ・疾病の原因及び予防、整理整頓及び清潔の保持 ・事故時における応急措置及び退避 ・安全衛生標識(立入禁止、安全通路、保護具着用、火気厳禁等) ・合図、服装 |
実技試験の範囲
| 試験科目 | 範囲 | 細目 |
|---|---|---|
| とび作業 | とび作業の段取り | 作業に必要な器工具の準備ができること |
| 仮設の建設物等の組立て | ・仮設の建設物及び設備の組立てができること ・安全帯の使用ができること | |
| 建設工事に使用する材料の運搬 | 建設工事に使用する材料の運搬作業ができること |
基礎級合格基準
- 実技試験:60点以上(100点満点)
- 学科試験:60点以上(100点満点)
随時3級(技能実習2号修了時)
技能検定試験の合格に必要な技能及び知識の程度
とびの職種における初級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度を基準とする。
学科試験の範囲
| 試験科目 | 試験範囲 | 細目 |
|---|---|---|
| 1. 施工法 | 仮設の建設物の組立て及び解体の方法 | ・丸太足場、単管足場、枠組足場、その他の足場、足場に取り付ける養生設備の組立て・解体について一般的な知識 ・仮囲い、工事用仮設建築物、架設通路、構台、支保工の組立て・解体について概略の知識 |
| 掘削、土止め及び地業の方法 | ・布掘り、溝掘り、段掘りについて基礎的な知識 ・玉石地業、割栗地業、砂利敷地業、杭打ち地業について概略の知識 ・矢板、腹おこし、切りばりによる土止め、連続土止壁による土止めについて一般的な知識 | |
| 躯体工事の方法 | ・木造建築物、鉄骨建築物、その他の建築物の組立て方法について概略の知識 ・コンクリート打設について概略の知識 | |
| 重量物の運搬方法 | 重量物の運搬方法について概略の知識 | |
| 建設物の解体の方法 | 木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、その他の建造物の解体工事について概略の知識 | |
| とび工事に使用する器工具・建設機械 | ・とび工事に使用する器工具の種類、用途及び使用方法について一般的な知識 ・仮設工事、土木工事、躯体工事、解体工事に使用する建設機械及び設備について概略の知識 | |
| 2. 材料 | とび工事用材料・建築用材料 | ・足場材、支保工材、養生材、土止め用材、荷揚げ用材について一般的な知識 ・鋼管等の鋼材、ワイヤロープ及び鋼製金具、木材、セメント・コンクリート、杭材、地業用材について概略の知識 |
| 3. 建築構造 | 仮設建設物・建築物の種類及び構造 | ・足場及び架設通路、足場用養生設備、工事用仮設建築物、構台、支保工について概略の知識 ・木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、プレハブ造、組積造について基礎的な知識 |
| 4. 関係法規 | 建築基準法関係法令 | 用語の定義、建設物に附属する仮設建築物、工作物の準用、仮設建築物、工事現場の危害防止に関する規定について概略の知識 |
| 5. 安全衛生 | 安全衛生に関する詳細な知識 | ・機械、工具、原材料等の危険性又は有害性及び取扱い方法 ・安全装置又は保護具の性能及び取扱い方法 ・作業手順、作業開始時の点検 ・疾病の原因及び予防、整理整頓及び清潔の保持 ・事故時における応急措置及び退避 ・その他とび工事に関する安全又は衛生のための必要な事項 ・労働安全衛生法、同法施行令及び労働安全衛生規則中の関係条項について一般的な知識 |
実技試験の範囲
| 試験科目 | 範囲 | 細目 |
|---|---|---|
| とび作業 | とび作業の段取り | 建設工事における各種とび作業の必要機材の準備ができること |
| 仮設の建設物等の組立て及び解体 | ・足場、架設通路、構台及び養生用仮設設備の組立て・解体ができること ・木造、鉄骨造、その他の構造の組立て・解体ができること | |
| 建設工事に使用する材料の運搬 | 建設工事に使用する材料の運搬作業ができること |
随時3級合格基準
- 実技試験:60点以上(100点満点)
- 学科試験:65点以上(100点満点)
随時2級(技能実習3号中)
技能検定試験の合格に必要な技能及び知識の程度
とびの職種における中級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度を基準とする。
学科試験の範囲
| 試験科目 | 試験範囲 | 細目 |
|---|---|---|
| 1. 施工法 | 仮設の建設物の組立て及び解体の方法 | ・丸太足場、単管足場、枠組足場、その他の足場、足場に取り付ける養生設備の組立て・解体について詳細な知識 ・仮囲い、工事用仮設建築物、架設通路、構台、支保工の組立て・解体について一般的な知識 ・クレーン等、荷役運搬機械、その他の建設工事用機械及び設備について概略の知識 |
| 掘削、土止め及び地業の方法 | ・布掘り、溝掘り、段掘りについて概略の知識 ・玉石地業、割栗地業、砂利敷地業、杭打ち地業について一般的な知識 ・矢板、腹おこし、切りばりによる土止め、連続土止壁による土止めについて詳細な知識 ・盛土工事の方法について一般的な知識 | |
| 躯体工事の方法 | ・木造建築物、鉄骨建築物、その他の建築物の組立て方法について一般的な知識 ・コンクリート打設について一般的な知識 ・大型仕上材、電気設備、空気調和設備、衛生設備等の取付け工事について一般的な知識 | |
| 重量物の運搬方法 | 重量物の運搬方法について一般的な知識 | |
| 建設物の解体の方法 | ・木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、その他の建造物の解体工事について一般的な知識 ・木造建築物、鉄骨建築物、その他の建築物のひき家工事について一般的な知識 | |
| 玉掛けの方法 | 玉掛け用具の選定及び使用方法、玉掛けの方法、合図の方法について詳細な知識 | |
| とび工事に使用する器工具 | とび工事に使用する器工具の種類、用途及び使用方法について詳細な知識 | |
| 建設工事に使用する機械及び設備 | 仮設工事、土木工事、躯体工事、解体工事、ひき家工事に使用する建設機械及び設備について一般的な知識 | |
| 建設工事の施工図・力学 | ・建設物の主要な施工図、仮設建設物の配置図・組立図、機械・設備の配置図・組立図・部品図について一般的な知識 ・力の三要素、モーメント、作用及び反作用、力と加速度、力の合成・分解及びつり合い、外力及び内力、荷重及び質量、支点及び反力、応力、許容応力度、安全率、重力及び重心、摩擦、てこ及び滑車、座屈について概略の知識 | |
| 2. 材料 | とび工事用材料・建築用材料 | ・足場材、支保工材、養生材、土止め用材、型わく材、荷揚げ用材について詳細な知識 ・鋼管等の鋼材、ワイヤロープ及び鋼製金具、木材、セメント・コンクリート、杭材、地業用材、その他建築用材料について一般的な知識 |
| 3. 建築構造 | 仮設建設物・建築物の種類及び構造 | ・足場及び架設通路、足場用養生設備、工事用仮設建築物、構台、支保工について一般的な知識 ・木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、プレハブ造、組積造について概略の知識 |
| 4. 関係法規 | 建築基準法・廃棄物処理法・建設リサイクル法 | ・用語の定義、建設物に附属する仮設建築物、工作物の準用、仮設建築物、工事現場の危害防止に関する規定について一般的な知識 ・廃棄物の処理及び清掃に関する法律関係法令について概略の知識 ・建設リサイクル法関係法令について概略の知識 |
| 5. 安全衛生 | 安全衛生に関する詳細な知識 | ・機械、工具、原材料等の危険性又は有害性及び取扱い方法 ・安全装置又は保護具の性能及び取扱い方法 ・作業手順、作業開始時の点検 ・疾病の原因及び予防、整理整頓及び清潔の保持 ・事故時における応急措置及び退避 ・その他とび工事に関する安全又は衛生のための必要な事項 ・労働安全衛生法、同法施行令、労働安全衛生規則、クレーン等安全規則(クレーン等構造規格を含む)、ゴンドラ安全規則(ゴンドラ構造規格を含む)、酸素欠乏症等防止規則及び石綿障害予防規則中の関係条項について詳細な知識 |
実技試験の範囲
| 試験科目 | 範囲 | 細目 |
|---|---|---|
| とび作業 | とび作業の段取り | 建設工事における各種とび作業の工程及び必要機材の準備ができること |
| 仮設の建設物等の組立て及び解体 | ・足場、架設通路、構台及び養生用仮設設備、上屋、下小屋等の仮設建築物の組立て・解体ができること ・木造、鉄骨造、その他の構造の組立て・解体ができること ・コンクリート打設ができること ・大型仕上げ材の取付けができること ・電気設備、空気調和設備、衛生設備等の据付けができること ・ひき家作業ができること | |
| 掘削、土止め及び地業 | 掘削作業、土止め作業、地業ができること | |
| 玉掛け | ・重量目測、玉掛け用具の選定及び使用、玉掛け用具の掛け外しができること ・クレーン等の運転のための合図ができること | |
| 建設工事に使用する材料の運搬 | 建設工事に使用する材料の運搬作業ができること |
随時2級合格基準
- 実技試験:60点以上(100点満点)
- 学科試験:65点以上(100点満点)
1級(参考)
1級はとびの職種における上級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度を基準とします。2級の内容に加え、以下が求められます。
- 足場の組立て及び解体について詳細な知識
- 建築物の組立て方法について詳細な知識
- 重量物の運搬方法について詳細な知識
- 仮設建設物の種類及び構造について詳細な知識
とび技能士の特典
とび1級及び2級の技能士は、制限荷重が1トン以上の揚貨装置又はつり上げ荷重が1トン以上のクレーン、移動式クレーン若しくはデリックの玉掛けの就業資格が得られます。
必要な特別教育・資格
受入れ後に必要な教育
とびの技能実習生を受け入れた場合、以下の特別教育を実施する必要があります。
| 特別教育・資格 | 対象 | 備考 |
|---|---|---|
| 足場の組立て等の業務に係る特別教育 | 全員必須 | 法定教育(労働安全衛生規則第36条) |
| フルハーネス型墜落制止用器具特別教育 | 高さ2m以上の作業床がない場所での作業時 | 2019年2月より義務化 |
| 玉掛け技能講習 | 1t以上の荷を取り扱う場合 | 技能講習修了証が必要 |
| 玉掛け特別教育 | 1t未満の荷を取り扱う場合 | 事業所内で実施可 |
受入要件
実習実施者(受入企業)の要件
| 要件 | 詳細 |
|---|---|
| 事業内容 | 建設業許可を有する、またはとび工事を行っていること |
| 技能実習指導員 | とび作業に5年以上従事した経験者を配置(とび技能士が望ましい) |
| 建設キャリアアップシステム | 事業者登録・技能者登録が必要(建設分野の特例) |
| JACへの加入 | 建設技能人材機構(JAC)への加入が必要(建設分野の特例) |
| 月給制 | 技能実習生の報酬は月給制とすること(建設分野の特例) |
| 同等報酬 | 日本人と同等以上の報酬を支払うこと |
技能実習生の要件
| 要件 | 詳細 |
|---|---|
| 年齢 | 18歳以上 |
| 日本語能力 | 入国時:N5相当以上(推奨N4) |
| 健康状態 | 高所作業・重量物の取扱いに従事可能な健康状態 |
| その他 | 帰国後に日本で修得した技能を活かす意思があること |
建設キャリアアップシステム(CCUS)
建設分野の技能実習生を受け入れる場合、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録が必要です。
事業者登録
技能実習生を受け入れる事業者は、CCUSへの事業者登録が必要です。登録料は資本金に応じて異なります。
技能者登録
技能実習生本人もCCUSへの技能者登録が必要です。ICカードで現場入退場を管理し、就業履歴が蓄積されます。
CCUSのメリット
- 技能者の資格・就業履歴が一元管理される
- レベル判定により能力評価が明確化される
- 適正な評価に基づく処遇改善につながる
- 母国での就職活動時に日本での経験を証明できる
建設技能人材機構(JAC)
建設分野で技能実習生を受け入れる場合、建設技能人材機構(JAC)への加入が必須です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 一般社団法人建設技能人材機構 |
| 設立 | 2019年4月 |
| 役割 | 外国人建設就労者の適正な受入れの推進 |
| 主な業務 | 受入企業の審査、技能評価試験の実施、巡回訪問 |
| 加入方法 | 建設業団体を通じた賛助会員加入、または直接加入 |
人数枠
建設分野の技能実習生の人数枠は、常勤職員の総数に応じて設定されます。
| 常勤職員数 | 技能実習生の人数枠(基本) |
|---|---|
| 30人以下 | 常勤職員数の10分の3 |
| 31〜40人 | 9人 |
| 41〜50人 | 10人 |
| 51〜100人 | 15人 |
| 101〜200人 | 20人 |
| 201人以上 | 常勤職員数の10分の1 |
優良認定を受けた場合、人数枠は基本人数枠の2倍となります。
【図解】キャリアパス
とび(とび作業)
建設分野
(土木区分・建築区分)
建設分野
建設分野・班長として従事可能・在留期間更新上限なし
特定技能への移行
技能実習「とび」を修了した方は、特定技能「建設」への移行が可能です。
特定技能1号への移行要件
| 移行パターン | 要件 |
|---|---|
| 技能実習2号修了者 | 試験免除で特定技能1号に移行可能 |
| 試験合格者 | 建設分野特定技能1号評価試験(土木又は建築区分)+日本語能力試験N4以上 |
特定技能2号への移行要件
| 要件 | 詳細 |
|---|---|
| 技能要件 | とび技能検定1級合格、又は2級合格+班長として3年以上の実務経験 |
| 在留期間 | 更新上限なし(永住権申請も可能) |
| 家族帯同 | 配偶者・子の帯同可 |
2027年からの育成就労制度への移行
育成就労制度について
2027年4月から技能実習制度は「育成就労制度」に移行します。とびは「建設」分野として育成就労の対象となります。
主な変更点:
・人材育成と人材確保の両立が目的
・転籍要件の緩和(同一分野内で転籍可能)
・特定技能へのスムーズな移行
安全衛生管理
とび作業は高所作業が多く、墜落・転落災害のリスクが高い職種です。以下の安全対策を徹底する必要があります。
| 災害の種類 | 主な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 墜落・転落 | 足場の不備、安全帯未使用、作業床の開口部 | ・フルハーネス型墜落制止用器具の使用 ・手すり・中桟・幅木の設置 ・開口部の養生 |
| 飛来・落下 | 資材の落下、工具の落下 | ・朝顔・養生ネットの設置 ・工具の落下防止紐 ・立入禁止区域の設定 |
| 倒壊・崩壊 | 足場の緊結不良、支持力不足 | ・組立図に基づく施工 ・壁つなぎの適正配置 ・点検の徹底 |
| 挟まれ・巻き込まれ | 玉掛け作業時の不注意 | ・合図の徹底 ・退避位置の確保 ・吊り荷直下への立入禁止 |
| 腰痛 | 重量物の取扱い、不自然な姿勢 | ・正しい姿勢での作業 ・適切な休憩 ・ストレッチの実施 |
主な送出し国
とびの技能実習生は、以下の国から多く受け入れられています。
| 国名 | 特徴 |
|---|---|
| ベトナム | 最大の送出し国。日本語教育が充実。勤勉な国民性。 |
| インドネシア | 人口が多く、若い労働力が豊富。イスラム教への配慮が必要。 |
| フィリピン | 英語が堪能。コミュニケーション能力が高い。 |
| 中国 | 漢字文化圏で日本語習得が早い。建設技術の基礎がある場合も。 |
| ミャンマー | 真面目で素直な国民性。日本語学習への意欲が高い。 |
受入れのメリット
企業にとってのメリット
- 日本の高度な足場技術を母国に技能移転する国際貢献ができる
- 最長5年間の計画的な技能育成が可能
- 特定技能への移行により長期的な雇用も可能
- 技能実習生の指導を通じて既存社員の技術も向上
技能実習生にとってのメリット
- 日本の高度な足場技術を習得できる
- 国家資格(とび技能士)を取得できる
- CCUSで就業履歴が証明される
- 母国での建設業発展に貢献できる
よくある質問(FAQ)
はい。ただし、足場の組立て等特別教育、フルハーネス型墜落制止用器具特別教育を修了している必要があります。入国後速やかに実施してください。これらは法定の特別教育であり、修了していない状態での高所作業は法令違反となります。
はい。重量物の運搬・設置は必須業務に含まれます。1t以上の場合は玉掛け技能講習、1t未満の場合は特別教育が必要です。玉掛け技能講習は外部機関で受講し、修了証を取得する必要があります。
技能実習2号を修了していれば、試験なしで特定技能1号「建設」(土木区分・建築区分)への移行が可能です。特定技能1号は最長5年、その後2号に移行すれば班長レベルの業務に従事でき、在留期間の上限なく日本で働くことができます。2号への移行には、とび技能検定1級合格、又は2級合格+班長として3年以上の実務経験が必要です。
基礎級は「とび職種に係る基本的な業務を遂行するために必要な基礎的な技能及び知識」が問われます。学科試験は30問(真偽式)で60点以上、実技試験は60点以上で合格です。日常の実習をしっかり行い、過去問題で対策すれば合格は十分可能です。中央職業能力開発協会のWebサイトで過去問題が公開されています。
とび技能士1級・2級を取得すると、1トン以上のクレーン、移動式クレーン、デリックの玉掛け就業資格が得られます。これは玉掛け技能講習を修了したのと同等の資格です。また、建設キャリアアップシステム(CCUS)でのレベル評価に反映され、処遇改善にもつながります。母国に帰国した後も、日本の国家資格保有者として高い評価を受けることができます。
建設分野は、技能実習制度における特例措置の対象です。月給制:技能実習生の報酬は日給制ではなく月給制とすること。CCUS:建設キャリアアップシステムへの事業者登録・技能者登録が必須。JAC:建設技能人材機構への加入が必須。これらは建設分野の健全な発展と技能実習生の適正な処遇確保を目的としています。
関連ページ
お問い合わせ
参考資料
出典:厚生労働省「とび技能検定試験の試験科目及びその範囲並びにその細目」(平成23年3月)

外国人人材の受け入れに関心のあ る方はお気軽にお問い合わせください。
043-306-1307(キャリアリンクアジア)
043-356-3215(日越振興協同組合)
月〜金、8時〜17時

